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憎悪するヒト  作者: 茶柱
8/9

自決

唖然とした。


一体誰が死んだんだ?


何があったんだ。


とりあえず学校に行こう。


俺はいつもより、足早に自宅を後にした。



登校し、教室に入った。

誰もいない。


刻々と時間は過ぎてゆく。


また一人また一人、登校してくる生徒が見える。


しかし、その中に鈴木の姿は一向に見えない。


その時だった。


『連絡をします。今日、緊急朝会があります。筆記用具を持って体育館に速やかに移動しなさい。繰り返します…』


きっと、自殺した奴の話か。


俺は誰よりも早く体育館へ向かった。



ようやく、全校生徒が着席したようだ。


『これから、緊急朝会を始めます。』


校長がステージに上がって挨拶をした。


『新聞等で知っている生徒もいるかもしれませんが、昨日、1年1組の鈴木君が亡くなりました。』


え…?


鈴木が?


『皆さんには、これからアンケートをしてもらいます。』


先頭からアンケート用紙が回ってくる。


内容は実に簡単なものだった。


〝鈴木君の悩んでいたことなどを知っていることを書いてください〟


勿論何も書くわけがない。

白紙のまま提出した。


最初は少し悲しんだ。


しかし、まるでもう一人の自分がいるかのように、喜びが湧き上がった。


教室では、半分以上の人が泣いていた。


その中で俺は一人嘘泣きをしていた。



一年一組だけは今日一日休みになるらしい。


担任、入沢の長話も終わり、帰宅しようとした。



「福田、ちょっと来い」

呼び止められた。


そして、生徒指導室へ。


「これ、見てくれ」


それは、監視カメラの映像のようなものだった。


あまり画質はよくないが、


夜の学校だ。


日付は昨日の深夜。



次の瞬間、深夜にいる不審者のような生徒がカメラに近づいてきた。


見覚えのある顔だった。



その顔は、俺だった。

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