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憎悪するヒト  作者: 茶柱
6/9

疑心

『おまえなのか? 黒板に鈴木の悪口書いたのは』


入沢が言った相手は、間違えなく俺だった。


俺が犯人?

笑いが込み上げてくる。

馬鹿か。

この人は。


「すいません。意味が分かりません」


「そのままの意味だ。福田。おまえなのか?」


何を根拠に俺が犯人だと?


「僕はやってないです」


正直に言った。

真実を言った。


「黒板の字を見たが、どう考えても福田の字にしか見えないんだ」


偽装しただけだろ。

瞬時に思った。


「いや、誰かが僕を犯人に仕立て上げたいだけでしょ」


「そ、そうだよな。お前を疑って悪かったな。教室帰っていいぞ」


用件はそれだけか。

落胆した。

俺の担任は、こんなにも馬鹿だったとはな。


「失礼しました」


機嫌が悪いような口調で言ってみた。



帰宅中に考えた。

どうやったら犯人が見つかるのか。

このままでは俺は永遠に悪役だ。


〝考えろ…〟


指紋…。

だめだ。

鈴木がいじめられそうだなんて言って警察が動くはずない。


カメラを仕込むか…。

だめだ。

下手をしたら没収だ。



俺は答えを得られないまま、帰宅し、そのまま眠りについた。



次の日は暑い日だった。


教室に入った。

いじめの内容は、今日も黒板への悪戯書きだった。


俺は一番に来た。

鈴木は二番目に来た。


今回は、鈴木は遅れてくれなかった。


彼は冷静に、黒板消しで悪戯書きを綺麗に消して何事もなかったかのように席に着いた。


彼は俺を見ていた。

「最近、このクラスに僕の居場所がないよ」

「俺だってそうさ」

これは本音だった。

なぜか出てしまった本音。

「そっか。でも、最近は福田君が話し相手になってくれてるから楽しいよ。学校が」

嘘だろ。

お前は所詮、女だろ。

「そう。」


こうして鈴木との会話が途切れた。



昼休み。昨日のような放送が鳴り響いた。

『生徒の呼び出しを致します。一年一組の鈴木君。一年一組の鈴木君。いますぐ生徒指導室へ来なさい。』

呼び出されたのは、俺ではなく鈴木だった。

突然ですが、評価お願いしますwww

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