ぼくだけノート 4
本当言うとね。
朝もやの境内。
気づくとキミが石畳の上に仰向けに寝転がってた。
「なんだか石畳な気分」
キミはそう言った。
石畳な気分がわからなくて、
ボクはちょっとくやしかった。
本当言うとね。
葛藤
逃げちまっちゃあ、お終ぇよ。
いや、逃げてもいいのだが。
いいんだけど。
ボクのチョコレート、
キミが食べちゃったんだね。
いいんだけど。
足
いくらキミに頑張れと言われたところで
ボクは頑張らないよ。
安心
めげない心があることよりも
傷つく心があることに
ボクは安心するんだよ。
そうでなくっちゃ
くすくすくす、と
キミが笑う。
クスクスクスじゃなくて
くすくすくす。
くすくすくすはクスクスクスより
ほんのちょっと愛情深い。
だから。
キミの笑い声は
くすくすくす
でなくちゃ。
不眠症
雨の音を聞いていると眠りやすいと
キミは言う。
だから、雨の音を聞くと
キミのことばかり思い出して
ボクは眠れない。
キミの口調
ボクを脅すキミの口調が、
とても芝居がかっていたので。
なんだかボクまで演技しているような気持ちになり、
素直に臆病にもなれなくなってしまった。
とらないで
鬼の首をとったように?
とらないで!
おがくず
おがくずって知ってる?
あのふわふわした一見カツオブシみたいなやつ。
あれがね。
頭の中につまってる気がするんだ。
体中におがくずがつまってる気がする時もあるんだ。
だからボクはオズの国へ急がなくっちゃ。
相違点
それを言われるのが好きなんじゃなくて
キミにそう言われるのが好きなんだよ。
つまようじ
かかってきんちゃい。
つかまえてみんちゃい。
わしゃ、これからオーゴンのトカゲ捕まえに
行くんじゃけん。
邪魔せんとってねー
邪魔する奴にゃハリセンチョップくらわして
超ソッコーで逃げたんねん。
なんやったら噛んだんねん。
甘噛みちゃうぞ、マジ噛みじゃ。
マジギレちゃうど、逆ギレじゃ。
つまらんコト言わんとってねー
そりゃ草色のトカゲやん、
なーんて言う奴にゃバツ印マーク付マスク
つけさせたんねん。
なんやったら縛ったんねん。
ロープとちゃうぞ、荒縄じゃ。
あらあらちゃうど、おらおらじゃ。
追いかけてこんとってねー
追いかけてきたら、あんたの後ろに回って
こっそりバックドロップかけちゃるけん。
なんやったら警告したんねん。
「今からバックドロップかけますよぉ」
オーゴンのトカゲがわし捕まえにきても
わしは捕まらん。