ぼくだけノート 1
輪廻
ボクはわおきつねざるになりたい。
ふさふさのわおきつねざるになって、
ふさふさの仲間とよりそいあって、
生きてゆけたら、
どんなにか
どんなにか
空は青いことだろう。
ボクはわおきつねざるになりたい。
背中を丸めたわおきつねざるになって、
背中を丸めた仲間と輪になって、
ちっちゃなぬくもりを放さないでいられたら、
どんなにか
どんなにか
海は青いことだろう。
背中を丸めたふさふさの
わおきつねざるに、
ボクはなりたい。
キミのこと
ボクはとっくに知っているんだ。
キミが悪いわけじゃないってことやなんかは。
だからもう、そんなに言い訳しなくてもいいんだよ。
孤独
言葉が的確にボクの心をあらわしてくれない時、
ボクはよくそう感じる。
約束
忘れ物があるって
次の約束をしたみたいな
気になるね。
煙突
キミが遠くへ行っちゃいそうで
なんだかボクは
心がすすけてしまいそう。
ゆくだけ
ボクはもう戻らないんだ。
ゆくだけ。
先へ先へと向かってゆくだけ。
空のかなたが見たいから、
まっすぐに歩いてゆこうと思った。
あさっての方角へ8日間。
昨日の方向へ五日間。
空のかなたが見たいから、
いつまでも歩いてゆけると思った。
キミをまた好きになる
どこにやったの、ボクのくつ。
キミが隠してしまったから、
ボクはどこへも行けないよ。
思うんだ。
思うんだ。
いつもいつも楽しくすごせばいいって。
言葉なんかに傷つかないよ。
人を傷つけずにいられるように、
それだけ自分が強くなればいいって。
自分だけがわかっていればいいんだ。
自分が優しいってことやなんかは。
たとえばさ。
なんでもない風景に妙に感動したり、
雨が急に悲しくなったり。
それでいいんじゃないかなぁって。
思うんだ。
ヒッチハイク
いつでも
ボクのなりたかった姿そのままに
生きてるキミ。
うどん
うどんを食ってから重要な話をする、と
キミは言うけれど。
うどんを食う前に話せ。
うどんより重要な話じゃないなら、
聞いてはやらない。
線路
赤錆びだらけのこの心で
いったいどこまでやれるのだろう。
さがしもの
言葉の意味なんかさがさないまま、
言葉をなくしてくのはつらいな。
みんながいるのに一人を感じてる。
こんな一人気分はしんどいな。
間違った場所へ向かっている。
磁石がひどくうるさいな。
なにが守りたかったのか
わからなくなってしまったので、
一人、極寒地に向かうことにした。