表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/111

幕間の四 D-11

 カツ丼屋は岩永の皮肉ではあっただろう。


「ああ、そこもいいがもうちょっと高い店行かないか?良い店を知っている。だが食後のコーヒーだけはまずいってことで有名なんだかな」


 それは警視庁ビルにある食堂のコーヒー。見晴らしだけは絶景な、ちょっと「高い場所」にある、名(迷?)店である。

 ことさらそういう皮肉を俺が言ったのは、あまりにも下手な「カツ丼」と言う隠喩を使ってきた岩永に対する、俺の中の負けず嫌いな対抗心の表れであった。


…………………………


 どう思考しても、あいつが事件に絡んでいる事は間違いないんだ。そして、あいつの母親も。亡くなってしまった以上、今のところ岩永だけが事件の真相に最も近い場所にいる。

 以前の特捜部が置かれていた場所、俺の参事官室。広さだけは充分すぎるほどあるデスクに腰を乗せ、思案の堂々巡り。いっそのことあいつの髪の毛でも引き抜いて……。

 そんな益体ない思考に囚われていた俺の思考に、ノイズが飛び込む。備え付けの固定電話が、前時代的な呼び出し音で私の応答要求してきた。

 電話の向こうの声の主は拘置所の刑務官らしい。その彼が言うには、


「今日、刑が執行される予定の死刑囚があなたに伝言をと……」


 それは殺人鬼A。彼からの最後のメッセージだった。



幕間の四、了。

幕間の四、これにて了。


次回より第五話。最終回の前編、になります。


さて、実はこの最終話、本家エブリスタではエピローグ込みで、全3回【一挙公開】したんですよねえ〜。

それもまあ、ほぼほぼひと月前に。今では少し、懐かしい(笑)


ようやく、追いつきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ