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幕間の四 D-4

 捜査線上に一度は上がった人物。元々東洋系ではないかと思われていた、レディ・Lと呼ばれる謎の女性。掴みかねている一連の事件との関連。

 わずかな手がかりでも欲しいところだろう。どうせ俺も、数年は飼い殺しを覚悟していたところ、暇潰しの仕事があるだけマシだろうと快諾した。

 そして帰国後、俺は思いがけず情報を手に入れることとなる。それがとあるネット作家の不審死。たまたま、捜査課に居るであろう草薙警部を訪ねた際、偶然目にすることとなったその資料から、一つの突破口を見出す事なるとは。


 正直言って、その時の俺は【持っている】と思ったものだ。がそれは結局、困難事を自ら抱えることと同義だった。

 不審死を遂げた作家のPC。その中に保存されていた情報には幾つか興味深いものがあった。彼の執筆によるものと思われる作品の幾つかと、とあるネット掲示板のログ、今はもう廃れてしまっていたパソコン通信、いわゆるクローズドネットワーク内のBBS内のログの中に、【レディ・L】関連と思しきものを見つけた。

 元々、ICPOではそれらを総称して【L.L文書】と呼ばれていたもので基本、極秘とされていたものである。

 L.L文書は、前述した爆弾テロの予言を筆頭に古今東西、様々な重大事件・事故。政治的・宗教紛争などのイデオロギー対立、軍事紛争が起きる度、その前後にネット上の様々な掲示板、BBSなどにレディ・L、或いはL.Lの署名付きで書き込まれていたとされる。


 その内容は予言であったり、或いは軍事的、政治的な行動計画であったり、或いは犯罪行為を助長するかの様な【欲望の解放】を謳っている。

 そして、それを為すことが自らを一段高みへと向かわせる為の、【試練】であると説いているのだが到底、一般には到底受け入れられないものであり、過激で明らかに犯罪的な内容は否定され、次々に削除されていく。

 その過程で内容そのものは失われていくのだが、唯一レディ・Lと言う記号だけが都市伝説化し一部、ネット民の間のネタ話として拡散していった。

 実際、ICPOが掴んでいたのは『そう言う書き込みがなされていた』と言う、都市伝説フリーク達の書き込みと、その現場付近で目撃、或いは監視カメラ等に映し出されていた、謎の女性の姿で、実際に本物のL.L文書だと思しき書き込みを確認できたのは結局、ロンドン連続爆破テロ事件を予言した物のみ。


 

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