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第三話。3-13

 見せられない理由。計画のあった最も大きな大きな事件。元自衛官将校によるクーデター未遂事件は、一応被疑者の自決とそのクーデター計画に同調した中心人物達、数十人を逮捕・拘禁して一応の決着を見ている。が、


「まだ、計画実行人物全員の洗い出し、及び身柄の確保までには至ってない。それが見せられない理由だが……」


「分かっているさ。計画名、【七人のテロリスト】その中で報道されている【逮捕者】の中でそのメンバーと思われるものは、ざっと三人、か」


 七人のテロリストには、それぞれコードネームというか、彼らの役割を示す符牒があった。と言うか、私が設定したものだが……


「報道の範囲内で言うと、確かに。【スナイパー】【ボマー】【オルガナイザー】ですかね」


 スナイパー・ボマーは文字通り、テロや要人暗殺を持って社会不安を煽るもの。オルガナイザー、つまり組織化するものとして、例の自決した元将校を当てているわけか、警察内では。この名称、符牒自体は報道されてはいないわけだが。


「なるほど、どおりで。警察ではあの元自衛官を【ビッグボス】ではなく、オルガナイザーとして認識しているわけだ」


 つまりは計画の文字通りのトップ、それの拘禁は愚か、特定にすら至ってないわけだ。だからまだ、捜査は終わってないと言うわけでAから何らかの情報が引き出せないか、もっと言えばAがその七人のテロリストの一人、何らかの【ネームド】なのではないかと。


「おい、余計なことを言うな。こいつが察してしまったじゃないか」


「えっ!ひょっとして伝えてなかったり、しましたか?」


 ……なるほど、割と口を滑らせやすい人なのか。薄々そう感じてはいたが確信に変わった瞬間である。


「うん、やはり連れてくるべきでは無かったかもな。今後について、一考の余地がありそうだ……」


「ええ〜そんなぁ〜パートナーだって、一心同体のバディだっていたじゃないですか〜」


 一見微笑ましい会話だが、女性に対して割と冷淡に接することの多い和泉をよく知っている私としては、少々複雑な心境がある。


「……なるほど。ついにお前にもそう言う相手が見つかったんだな。同窓生の中で誰が最後の独身貴族になるかこの間、賭けをしたばかりだったのに、早くも決着が……」


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