第二話。2-12
「ありがとう、ございます」
色々と混乱しているのか、心あらずと言った感じで彼女が答える。
「まあ何にせよ、仕事の話しは後だ。取り敢えず飯食うべし」
そう言いながら、自身も焼き飯を食べ始め、隣からもんじゃを要求していた。
やがて、私の元にもサイコロ状に切り揃えられた鯨肉の鉄板焼きが届けられ、一先ずは食事と雑談に専念することとなった。
「ああ岩永、さんも、よかったらもんじゃどうぞ……」
と、微妙な表情をしたままの彼女から差し出されたヘラを、私は丁寧にお断りし、
「ああそいつ、チーズダメなんだ。レトルトシチューとかに入ってても、絶対分かるんだとさ、子供かっての」
と言う、和泉の言葉を肯定しつつ、
「どうしても、チーズ嫌いだけは克服できなくてね……」
「いえ、そう言うのは誰にでもありますよ」
と、言ってくれた彼女だったが、こっちの方、あんまりチーズ混ざってませんよ?と勧められた時は若干、殺意を覚えたが口には出さなかった。
私の内心を大人気ないと笑わば笑え。そう思いながらほんの少しだけ、口に入れそれをビールで一気に流し込んだ。
その様子を見ていた和泉は何やらニヤニヤと、意味ありげに笑みを浮かべていたが。
第二話、了。
第2話終章、につき【あとがき】
さて、私の小説はなろう小説か、それとも非なろう小説かについて
文芸?私小説?それとも……。個人的立場として言えばどのような解釈でお読みいただいても構いません、というのが私のスタンス。
それに加えて自身、所見を述べるとするならば【とんでもない、私のはまごう事無き、なろう作品ですよ?】と、堂々と言わせていただきます。
誰がどのような評価を作品に下していただいても構いませんけれど、私が書いているのはライトノベル、そしてなろう小説です
はっきりってなろう系とか非なろう系などと言う、区別の仕方がもう卑屈で見苦しいと思います。変な話ですが、所謂【商業作家】と呼ばれるに至るプロフェショナルが、【ここで】作品を発表すればそれは文句なく、なろう小説であるはずですし、そうあるべきです。
そういったプロフェッショナルに、彼らが望む正統なる報酬【原稿1枚あたりの適正価格としての原稿料】読まれることによって発生する広告料等に対する印税、ギャランティーの権利、および出版に際しての様々な【取り決め】のもと契約を交わすことを前提として、この場所で執筆を依頼すれば、そういったプロフェッショナルが活動の拠点を【小説家になろう】に移すこともやぶさかでは無いだろうと、愚行いたします。
でもそうはならない。なぜなら基本無料だから、原稿料出ない。報酬も確約できない、そんな場所でプロが職業作家が描くわけがない。
だからこその【なろう】でしょうよと。
ですから、多少の表現違い・いい回し、使い回しの設定、テンプレートの組み合わせ方の差異、キャラクター表現の重複などなど、そんなのは極々微細なもので、【なろう小説】と呼ばれるジャンルを構成する要素としては、とるに足らない些末事だと私は認識しています。
それが恥ずかしいとかどうとかそういうのはまぁ外から見える、内向きにワイワイガヤガヤ、あーでもないこーでもないと、重箱の隅を突き合っている様がひどく滑稽に思えて、自分だったら恥ずかしくてできないな、みたいな?
【いや、私が本気を出せばなろう小説なんて簡単にかけて、PVもお前わなんかよりずっと稼げますよ?】
なんて豪語する輩は、何百匹も湧いて出るもんです。そう、見た目の数字ばかりにとらわれていれば、誰にでもそう感じられるはずです、特に全く創作に携わらない普通の人々にしてみれば。
今はほんと、小説書くの簡単になりましたからね。それこそ模倣しがいのある【無名の作品】が、ロシア軍をはるかに凌駕する位の質と量が、転がってますからね。【適当に】組み替えて書き直せば、物の数日でなろう小説の短編1本や2本、はい出来上がりぐらいに。
後はPV操作、それこそなろうアンチの輩を集めて適当に数字を稼ぐ位はまぁ簡単でしょうね。正直そんな低レベルな次元で人と争ってどうすると、作家ならどんな作品を描こうと文章から、あるいはその作品の中から滲み出る、著者の思想や感性、或いはもっと根本な魂と呼ぶべきものを感じられれば、それを模倣するのは極めて困難であろう。
ゆえに、私が思う真のプロフェッショナルとは、不用意にタダで言葉を紡いだりしないもんですよと、ここはおそらくボーダーラインなんだろうなと。一言一言、一文字一文字に全て魂を込めろとは言いませんけど(笑)
鎌倉殿の13人が始まるので今日はここまで(笑)
書き足りないことが思いついたら、それはまた次のあとがきにて。
……次のあとがきで、と考えていたけどやはりこれだけは、忘れずに毎回きちんと書いておかないとと言う言葉を思い出したので。
まず、小説を書くこと。これをビジネスとしてとらえるならはっきり下の下である。そんなことはおそらく百も承知で書いている、作家さん達がほとんどであると私は推測する。故に主張として、
【なろうより他のネットビジネスの方が楽に稼げる】
そう自説を披露するのは構わない、何せ言論は自由だから。だがそのような凡例、幾百積み重ねようが、人の尊厳を踏みにじっていいと言う、権利は個人に与えられるものじゃない。
他人のセックスを笑う前に、自分の醜さを省みる。そして今一度自分の心に問うべき。自分が何かを表現する意義とは。
ただ自分が気持ちよくなりたいだけなら、別に【なろう】で小説なんか書かなくても、もっとお手軽に気持ちよくなれるものは存外世の中、あるもんだよ?
あと、そんなに恥ずかしい恥ずかしいと主張するなら、別に近づかなくてもいいだろう。人は人を救えない。人はただ人を生み育てそして、殺せるだけだよ。
どこまでも傲慢で強欲に人を貶めると言うなら、もっと効率的で簡単な方法があるだろうよ。同じ考えを持つ人間と集まって、関わりを持たずただワイワイガヤガヤさえずっていれば良い。
それをせずわざわざ介入してくるあたり、所詮は自分たちが蔑んでいる者たちと同じ穴のムジナというべきものだろうよ。
感情論?だから何?嫌いな奴の頭の中と議論する気はさらさらないよ、うっせえ馬鹿。これ以上の言葉が必要だとも思えんが。




