ED-8
「そうねえ、【パラディン】が言うことも尤もだけど、ボクや母さんの助け、資金援助が無いと立ち行かない脆弱な組織なんて、足を引っ張るだけで百害あって一理なし、そうは思わない?」
「…………」
「そう言うこと。まあ資金源については一考の余地があるとして、しばらくはゆっくりバカンスでもしたいわね。一応、後継者争いは決着を見たわけだから」
「どちらへ行かれますか?レディ……」
「ん〜久しぶりの日本だし、しばらくは温泉でゆっくりするとして、あとはそうね。彼らのハネムーンにボクも同行しようかしら?最推しの1番いい絵は、やっぱり近くで見たいし」
「……お嬢様もお人が悪い」
「結構、ボクに対する最高の褒め言葉として、受け取っておくよ。パラディン?」
……そう言う彼らの視線の先に見るモニター、そこには希望溢れる未来に向けて、歩み始めた二人の姿が映し出されていた。
草薙啓一著。『善悪の彼岸(仮)』或いは、
【昨今、テンプレート的な題材、コンセプトをもって量産され続けるライトノベル、その功罪。善と悪についての一考察。模倣とリスペクト、アイデアの盗用と盗作。その違いについての思考実験】
終劇にて。




