モテるって聞いたんで追放してくんね?
超適当に書きました
「俺を追放してくれ」
相方の言葉を聞いて耳を疑う。
「えっとそれはどういう意味だ?」
「文字通り追放して欲しいんだ。それもなるべく目立つ感じで」
この意味のわからないことを言っている男は、俺のパーティメンバーのアッシュ。
3年間パーティーを組んでるがたまにこうやってわけのわからないことを言い出す。
「なんでそんなことせんといかんの?」
「俺本で読んだんだよ。追放されると最強の力に目覚めて女の子にモテるって」
「もしかして最近流行ってるおとぎ話のこと言ってる?」
題名はたしか追放ざまぁ物語だったかなんだか。
「そうそうそれそれ」
「あの話は作り話だし、もしうまく行ったとしても俺不幸になるやん」
物語の中盤くらいに追放した悪徳パーティーリーダーが魔物に食われるシーンがある。
「大丈夫だって、もしうまく行ったら守ってやるし可愛い子紹介してやるからさぁ」
「かわいいってどんくらいのよ」
興味本位で聞いてみる。
「受付嬢のミーシャさんくらい」
「よしやろう」
やるだけならタダなのだからやってみよう。
□
あのあと作戦を入念に考え、作戦決行日になった。
「よしこの混み具合なら十分に目立つな」
現在昼ちょっとすぎたあたり。
冒険者ギルドが一番混むのは朝一なのだが寝過ごしてしまったのでこの時間の決行になった。
「よしアッシュ俺の合図とともに『なんでだよ』って叫ぶんだぞいいな?」
「おーけー相棒。俺の名演技見せてやるぜ」
その返事を聞き合図を出す。
ふと、子供の頃の演劇を思い出す。
村の収穫祭のちっぽけな出し物だった。主役はアッシュで悪役が俺。
その時の村の人たちの反応はどんな感じだっただろうか?
「なんでだよ!!」
思考がアッシュの叫びで中断される。
ギルド中の視線がアッシュに向いている。よしよしここまでは計画通りだな。
「お前は弱すぎるだから追放だ」
弱すぎると行ったがアッシュの戦闘能力はこの街随一と言っても過言ではない。
「くっそー」
そう言ってギルドを走り出ていく。
これであとちょっとすればアッシュが力に目覚めるはずだ。
□
「まじで力に目覚めたんだけど」
「まじで?」
え、うそ?まじで?
「まじまじ」
「どんな力なん?」
最強の魔法だろうか?それとも最強の剣術だろうか?
「手からオニオンスープが出てくる」
そういって手のひらを出す。すると手から茶色い液体が浮き出てくる。
「まじやん。え?まじやん」
「しかもこれめっちゃうまい」
まじか。
驚きのあまり語彙力がなくなってしまった。
というか手から染み出してくる液体を飲んだのか。
「相棒も飲んでみる?」
「汚そうだからいいわ」
こいつ手とか洗ってると混みたことないから多分汚い。
「ちっちっち」
そういい言いながら人差し指を振る。
「なんと。あなんとですよ」
「おぉ?」
「こんなこともできちゃうんですぅ」
そう言いながら手をだすとマグカップが出てくる。
「えぇ」
若干引いた。
マグカップの色は白色で割と綺麗。
カップの中には茶色の液体がなみなみと入っている。
「これなら潔癖症の相棒でも飲めるだろう」
「出てくる形に問題があるんじゃなくて、出てくる場所に問題がある。」
「まじかぁ」
「まぁ飲むけど」
「飲むんかい」
ちょっと興味あるやん?
カップを受け取り口をつける。
味的には玉ねぎ主体のコンソメスープって感じ。
「割とうまい」
「せやろ?」
「あ、そういえば」
アッシュがハッとした顔をする。
「明日の合コンミーシャちゃんくるらしいぞ」
「まじで?」
こうして冒険者の日常は過ぎ去っていく。




