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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

散りゆく花火

作者: 櫻井那月

少し後味悪いかもしれないので注意です。

2XXX年 夏


蒸し暑い中彼は蒸し暑い機械の中にいた

鉄製のその機械は暑さなんて気にしていないかのように爽快に夜の空を飛んでいた。



ージーッ、ジジーッッー

「こちらD295目的地上空...」


操縦席の隣のスピーカーから耳障りな音が聞こえる

彼はスピーカーの隣の写真に目をやる









ー20年前 夏ー


それは暑い夏だった


私は淡い着物を身にまといそわそわと彼を待った

今日は彼との初デートの日、花火を見る予定だ

祭りのざわめきの中彼が来た

照れくささを隠しているのが私でもわかる

きっとお互いそうなのだろう

彼と手を繋ぎ屋台を歩いていく

沢山の屋台があり普段ならあれがしたいこれがしたいと言うが今日は違う

私は彼に釘付けだった



ふと彼が立ち止まった


「あれをやらないか?」


彼は私を射的に誘う

彼は射的が得意だ


「どれが欲しい?」


私は商品の中にある花火を選んだ

彼は見事にあてて見せた


そんな姿に更に私は惚れてしまった。



そろそろ花火が始まる頃沢山の人がいる中私達は少し離れた場所で花火を見る事にした。


いよいよ花火がはじまると沢山の色が空に弾けた

その色に照らされて輝く彼はとてもかっこよかった








その夏から私は何度も彼と一緒に同じ場所で花火を見た



とても嬉しかった。










ー10年後ー

最近は世界の情勢がおかしいみたいだ


私はテレビを見ながら思う


「失礼します、御家族の方が来られましたよ」


彼だ。私は嬉しくなった。


私はあれから難病を発症し病院から出られなくなっていた。

私の命がこの先短い事を私は知っていた。


「今日はなこれ買ってきたんだ」


彼は花火を持ってきた。


そう言えば花火大会はこの情勢でなくなるとニュースでやってたなぁと思った


「また元気になったら一緒に花火をしよう!」


「はい、約束ですよ?」


私ははにかんで見せた


でも私はこの花火もう出来ないんだろうなぁ、なんて思っていた


数日後、外に行く許可が降りた

思っても見ない事だ

彼も喜びその夜早速花火をする事になった




夜、花火を一つ一つ持って大切そうに火をつけていく

花火が勢いよく吹き出した


「また、こんな日が来るとはな、、、」


「そうね、とても綺麗、、、」


「あのな、、、」














ーープツンーー


「こちらD206同じく目標地点到達」


彼はトランシーバーに向かい話す


手元には花火が握られている。

指輪をはめ彼は最後に口にする



「待っててくれ」





彼の目の前には沢山の色とりどりの光が現れた。

それはとても綺麗だった。






大きな音と共に沢山の機械が散っていった。

それはとても儚かった。

花火を題材に書いたつもりがなんか違う事が題材になってる気がする、、、


この題材を扱うのは結構辛さがありますが、今のうちにそっと公開しておきます

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