表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/97

第64話 頬を濡らす冷たい液体

評価、ブックマークを熱望している今日この頃です、ぜひよろしくお願いしたいです!!


毎日投稿での更新を目安に執筆していきますがズレることもありますのでよろしくお願いいたします。

「狂っている——? それが、この世界の醍醐味でしょう!!!」


そう言いながら、彼女は身体は死体に向けたまま首だけを振りかえらせ、ハンナ達の方に回す態勢を取る。そして、今度は尻尾を一気に上方向に伸ばし、空中に待機させたかと思うと、瞬時に横方向にも大きく膨張し、肉をミンチにするかのような攻撃の嵐をハンナ達に繰り出す。


尻尾が地面に触れるたびに深く抉れるグラウンド。同時に、大きく立ち上る砂嵐と、その衝撃すら本番前の前座だと思わせる割れんばかりの悲鳴。気付けば、グラウンド内で起きていた小競り合いは既に消滅していた。


ハンナたちが上げる鼓膜を突き抜ける高音の叫びが、足を止めさせ、声を発することすら禁止させる。そして、声が聞こえてくる方角を見たら最後。凄惨で無慈悲な命の一方的な強奪の光景に目を奪われ、逃げようとする気力を瞬時に奪っていくのだ。


なんども振り下ろされる攻撃で地面に亀裂が走り始めている。にも関わらず、勢いをどんどん増していく攻撃に、いつの間にか悲鳴を上げる声量すら霞んでいった。生きているのか、死んでいるのかも判別がつかない。だが、遠くから見ている分では——圧倒的に後者のようにしか思えなかった。


「ハンナ⋯⋯ 。くっ・・そ! グワァーーーーーァ!!!!!!!!」


 名前を呼ばれた少女は、依然として収まりを知らない攻撃の嵐の中、強く唇を噛み締めた。次第に、口内に生温かい液体が溢れるが、痛みを感じることはない。身体に降り注ぐ痛みよりも、心の痛みの方が彼女の身を強く引き裂こうとしていた。


今まで一緒に授業と、課題と、様々なこの場所での生活の中で苦楽を共にしてきた仲間が、一人また一人と声をあげながら頭部に強大な攻撃を食い、地面にへと倒れ込んでいく。そして、もう・・・声を上げることはない。


「このままじゃ⋯⋯ 死ぬ——?」


 ただ、悪魔の尾が振り上げられた時に、頬に時折飛んでくる赤い水滴が、やけに()()()感じてしまうのは、なぜなんだろうか。彼女の頭はその正解を導き出せることはなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ