第63話 狂っている悪魔
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「あなたを始末します。将来ある若者の命を奪ったことを後悔してください」
後ろから声をかけられ、彼女は鬱陶しさを感じながらも振り返る。そこには、敵の存在に気づいた上級生達が武器を構えていた。どうやら、こちら側に警告を促してきているみたいだ。声を発した女性らしさを醸し出す指揮官気質の女子を筆頭に私を囲むべく、四人の女子生徒がジリジリとゆっくり距離を詰めてくる。左から順に、杖、薙刀、刀、刀か。どれも一級品の瘴魔剣であるが、その輝きは燻んでいる。それは、力を使いこなせていない証拠であった。
「なぁんて?」
ねっとりとした声で返答すると、挨拶がわりと言うように、既に露出した尻尾で攻撃態勢をとっていた上級生達を一斉に薙ぎ払う。不条理だと言わざるを得ない。万全の警戒の中、ある程度距離をとりながら陣営を築いていたにも関わらず、まさか生物の尻尾が、その距離を埋めるほど伸びるとは、誰が予測できただろうか。
彼女の尻尾の筋肉は見た目の凶暴さとは裏腹に、ゴムのようなしなやかさを持ち合わせていた。それによって、一度縮みそれを解き放つことで高速かつ、強烈な一撃を一度に浴びさせることができたのだ。
しかし、流石上級生といったところだろう。攻撃を受けた瞬間に、すぐさま受け身態勢をとり、致命傷は避けていて、さほどダメージを受けてはいない。だが、せっかく整えた陣営は見る影もなく崩れ去り、全員が再び武器を手にとって体勢を戻せる所まで戻っていない。そして、その瞬間を悪魔は見逃しはしない。棘の剣先を、左手に刀を持っている女に向けると、瞬きの間に腹を貫通させた。
「かはっ!!!」
口から赤い鮮血が吐瀉物のように吐き出される。茶色の瞳をした綺麗な目も、今ではその見る影もなく白濁とし、眼球は赤く充血している。その姿を一瞥すると、悪魔は何の躊躇いもなく、貫通させたそれを抜き去った。今まで塞いでいたものがなくなり、途端にあふれる赤い鮮血と、様々な身体に秘められた臓器。それを無様に撒き散らしながら、その女子生徒はそれ以上一言も話すことなく、生命活動を停止させた。その顔に絶望を浮かべながら。
「伸縮自由の尻尾とは。いいおもちゃをお持ちで」
棘に絡みつく小腸の一部を手で払い除け、そのまま手に付着させたまま、自分の頬を撫でる。赤く染め上げられる頬は、気分が上がって高揚しているからなのか、それとも、死に絶えた彼女の赤い血によって彩られているのか、判別がつかない。だが、空をブンブンと切り裂く尻尾を見ながら、ハンナは剣を持つ手に力を込めた。
「あら? 褒めてくれているのかしら。嬉しい限りだわ。あぁ!! あの人の死に様も美しい。無様に臓器を巻き散らかしているというのに、悲壮感を感じさせることのない死に様。生涯悔いなしと言いたげなその姿。はぁ〜。あなたのすがたも私の心で一生消えゆくことはないでしょう!」
「狂っているわね・・・。あんた!!!」




