第59話 闇の一族の事情
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静かな怒りは誰かの耳に留まることを知らない。それは吹き付ける風のように、さらりと空中を舞うと、やがて音もなく消えていく。完全に当初の作戦から大幅に変更することを余儀なくされている現状に、隠しきれない怒りは募るばかりだ。
「やっぱり曲者ね、シル・バーン。一人だけ、何故か私の正体も見抜いていたみたいだし」
朝見せた不穏な挙動不審から、何かあったのかと思っていたら。まさか、変装して侵入していること、に気づかれていたかもしれないなんて。確証はないが、そうとしか考えられない。男性陣がいるグラウンドにおいて、脅威となりうる存在は、彼しか考えられない。大佐すら伺いの色を見せずに、いとも容易く騙せていたというのに。これは大きな誤算と言わざるを得ない。
当初の作戦では、私が男連中に気づかれない様に尾行させたダークライムが、記録員を洗脳。そして、瘴気保有限界テストに細工を行い、人工的に誰かを闇化させ、会場を一通り荒らしてもらう。そうすると、こちら側にいる実行委員も動かざるを得ない状況に陥る。
ここにいる邪魔な上級兵士が、助太刀として向こう側に向かう。そして、彼らがこの場からいなくなったところで、目の前にウロウロしているモブどもを、ズタズタに引き裂いてやろうと思っていたのに。それがどうだ、今のこの状況は。
何も起きていない、いつもの平凡な体力テストそのものだ。愚かな人間どもに混じって、私という高貴な闇の血を引く魔物でさえも、滑稽なテストを受けさせられている。
「こうなれば、もう合図とかなしで始めちゃおうかしら」
闇の王から承った命に背くのは心苦しい。だが、新入生一人殺せず、トボトボと戦績一つ挙げずに帰る方が、私のプライドをより大きく傷つける。ただでさえ、今は煩わしい時期で、様々な闇の王の取り巻きの上級魔物が手柄をあげようと、各々内密に動いているという情報もある。
そう言えば。先日、今まで格下だと思っていたオズワールと名乗る新米魔物が、新入生を3人ほど一人で始末したらしいし。彼が得意げに王宮で話していたのを、扉の手前で盗み聞させていた部下から報告を受けた。何でも竜に跨ることが出来、実力も折り紙つきの魔物だとか。本当、気に食わない。私も遅れをとるわけにはいかないじゃない。
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