第48話 最悪の展開
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「そうなんですか・・・。クソ!! 僕たちがもっと早く奴らの存在に気づいていたら・・・!」
「君が落ち込む話ではない。これはこの場を管轄していた僕に全て非がある。そもそもオークの登場すら事前に察知できなかったのは大きな失態だ。それにあんなでかい怪物が暴れ出したら誰だってスライムのクリーチャーのことなんて目に入らない。彼女を救えなかったのは僕。デンジュの失態が招いたことだ。
それに引き換え君たちはどうだろうか。この場にいる実行委員や新入生の中の誰よりも勇敢だった。オークに立ち向かいあまつさえ退治してみせた。この場において一番称えられるべき存在であるのは紛れもなく君たち二人だ。だから、そんな英雄が落ち込んだ顔をしないでくれ」
悔しがるマシュの肩をデンジュは優しく両手で包み込む。微かに震える友の肩を見て、シルはふっと視線を外して見せる。彼が人前で弱さを出すことなど滅多に起きないことだ。そんな姿を特にシルには見せたくないだろう。
「そうだ、一つ気になっていたのですが。デンジュさんよろしいでしょうか」
マシュの背中に手を当て、上下にゆっくりと移動させていたデンジュは、驚いたようにマシュから視線を外し、シルの方を向いた。
「何だろうか?」
「このグラウンドに突如として現れたオークですが、一体どのような方法で現れたと考えていますか?」
突拍子もない質問に思わずデンジュは視線を泳がせる。同様にマシュも下を向いていた視線をこちら側に向けると、でまるで今から尋問でも始めるのかといった鋭い眼差しで睨んでくる。その目は赤く充血しているように見えたが、シルはそこに触れることはなかった。
「簡単だろう。大方、森の中に隠れてこちら側に忍び寄ってきていたんだよ。お誂え向きのように森には大量の背が高い木が何本も植生されている。この中を屈まれでもしたら、見分けがつかないだろう」
「そうだねマシュ。俺もその方法を考えたんだけど、腑に落ちない点が二点あるんだ」
「二点も? 一点なら何となく分かるんだけどな〜」
顎に手を当てそう呟くデンジュにシルは話をふる。
「デンジュさん、一点は何だとお考えで?」
「屈みながらだとここまで来れることはこれると思うんだけど。そのメリットがないなって。オークは戦闘の最中も見せていたけど、時折行動を止めて瘴気を集めてるような姿勢をしていただろう? あれを森の中でもしていたとなると何のためにそこまでして、ここまでやってきたんだろうかって。
それに、森の中はいつだって無人というわけでもない。この森は山中に洞窟があってね。度々見かけたかもしれないけど、洞窟内から採れる鉱石を運んでいる人達もいるんだ。彼らに一度も会わずにあの巨体でここまで来れるかってなると、ちょっと偶然がすぎるかなって、僕は思うよ」
「そうですね。僕も一点目は全く同じ意見です。森の中を隠密に行動して、ここまでたどり着くのは困難である。そして、もう一点は、瘴気の濃度が俺の頭の中に引っかかっています」
「瘴気の濃度——? まさか、シル。そう言うことなのか!」
「気がついたみたいだね、マシュ」
シルは大きく指パッチンをすると、マシュの驚きあふれる顔を指で刺す。その行動に不快感を覚えるが、彼は特にそれを咎めることはしなかった。
「この辺りの瘴気の濃度は限りなく低い。そのため、この辺りの空気は紫色を纏っていない。通常の空気の色と同じく、透明色です。ですが、先程までは僅かに紫色を帯びていました。そうです。オークがいたからです。つまり、これはオークが現れてから瘴気濃度が高くなったと言うことを裏付けている証拠なんです!」
「もしかして、シル君。君は・・・そんな恐ろしいことが起きたと考えているのかい?」
青ざめるデンジュの問いにシルは黙って肯定してみせる。そうだ、これは非人道的な行いを裏付けるものだ。いくつかの状況証拠を集めてみると、この答えにしか辿り着けない。これを確定だと断言するには2つ確認しなくてはいけないことがある。
一つは、新入生の頭数。そして、もう一つは人工瘴気製造機器の残量。
シルは二人に対してうなづいて見せると言葉を交わす必要はないっと言わんばかりに二人はそれぞれ行動を開始した。デンジュは端の方で固まっている新入生と実行委員の元に、そして、マシュはシルが蹴り飛ばした機器の元へ。
もし、これがシルの想像した通りの結果を表すのであれば・・・。それは、最悪な展開と言わざるを得ないほど最悪の状況に陥るだろう。
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