第41話 笑顔に隠した虚勢
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「何が起こったんだ」
動揺するマシュがこぼす言葉はシルの耳に届くことはなかったが、こちら側を向いているのをその場からでも感じ取ることができた。
「そこから離れろマシュ! 殺されるぞ!!」
ようやく声が届いたマシュは、自分の身に襲い掛かっている脅威の拳の存在を発見すると、急いでオークとの距離をとる。途端に先ほどまで彼がいた場所はオークの拳でその空間を埋めた。
「危ないところだったな」
マシュの表情には軽口をいう余裕はない。寸前まで迫っていた脅威に気づけなかったことを悔やんでいるのか。だが、彼にその存在を気づかせてくれるきっかけを作ったのは紛れもなくあの突然閃いた雷撃の一閃。あれが無ければマシュは今頃シルの隣に立っていることはなかっただろう。
「さっきのは一体誰が・・・」
言葉を漏らしたシルに飛び込んできたのは、直前までオークの身体を走り回り、命を脅かしていたマシュが立てる荒い息よりも、更に激しく溢れる呼吸音。まるで全体力を持っていかれた時のようなそれが、シルの鼓膜を震わせる。マシュは一足先にシルよりも早く、その呼吸を行っている人物の方に視線を送っていた。
マシュに遅れを取りながらも、シルの瞳は上下左右反対でその人物を映し出す。一体誰がそのような息を漏らしているのか。視線の先には、両手を前にやりながら、激しく肩を動かしているデンジュの姿はそこにあった。
「デンジュさん! 先程の一撃はあなたが——?
「君たちの戦いを見ていたら、今まで抱え込んできたジレンマとか戦場に行っている同期たちの引け目とかどうでも良いと思ってね。新入生という立場の君たちが誰よりも勇気を振り絞り闘っているというのに、僕たち上級生は言い訳を繰り返し、他の新入生と同じようにグラウンドの隅の方で震えているだけ。
そんな状況に嫌気がさしていた時に、シル君がカリュ君に叫んでいることに意識が向いてね。でも、全然気づいてないみたいだったし、オークの攻撃も寸前のところまで迫ってた。そんな危機的状況を見ると、無意識の内に攻撃していたよ」
得意げに言い放ち、笑顔を浮かべるデンジュ。その表情はは今日一でかっこよくシルの目に映った。その顔には今となっては恐怖の色など一つも感じさせない。だが、依然として激しく揺れる肩に、青紫色と化した唇。そして、額から顎にかけて伸びる一筋の汗。
周りの瘴気を糧として、自分の生まれ持った魔力に比例させ放つ雷撃の一閃。それは、体内に瘴気をどれだけ取り込めるかの度合いに依存して、威力であり打てる回数というのが決まってくる代物だ。つまり、
瘴気保有限界テストで低いスコアを出した彼にとって、これ以上の攻撃は生死に関わることだという、笑顔に隠した虚勢をシルとマシュはひしひしと感じ取るのであった。
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