第34話 剣先の震え
評価、ブックマークを熱望している今日この頃です、ぜひよろしくお願いしたいです!!
毎日投稿での更新を目安に執筆していきますがズレることもありますのでよろしくお願いいたします。
デンジュの震える青紫色をした唇から空気が僅かに吐き出される。
「シル君——、君も分かっているんだろ。内地にいる兵士は瘴気保有限界テストで低いスコアを叩き出した、いわば戦闘能力が著しく低いやつだって。戦えなやつだっていう判子版を推されてるんだよ。だから、戦闘訓練も受けていない、受けさせてもらっていない。俺には無理だ。突っ込んで無様に誰の役にも立てず、すぐ死ぬのがオチだ」
「いや、そんな事は——」
マシュが寄り添うようにデンジュの肩に手を伸ばす。だが、その前のシルは捨て去るように言い放つ。
「そうですか。なら、もう頼りません。そこで足を震えさせながら見ててください」
デンジュから早々にマシュに視線を移す。彼はシルの顔をチラッと見ると、大きく舌打ちをして、伸ばしかけていた手を引っ込めた。そして、そのまま腰に腰に帯刀している自らの命を預かる愛剣に二人同時に手を掛け、勢いよく鞘から抜き去る。カラカラという鞘と剣が擦り合う金属音を一瞬共鳴させると、そのまま剣先を次の攻撃の準備を依然として行っているオークに向けた。
「行くぞ、マシュ。手はずは分かってるよな」
シルはマシュに対して微笑んでみせる。今まで綺麗だった青空も、今では瘴気がこの地域に集中することで高まり、いつしか一面紫の世界に化していた。隣でマシュもオークの命を見据える二本の短剣を握る両手に更に力が籠る。
「当然だ。すぐに終わらせてやる」
二人が駆け出すそのタイミングは、打ち合わせをしていないにも関わらず、砂埃が立つそれすら同じものだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僅かに剣先が震えている。よく観察していなければ分からない程度の振動であるが、そこにあるのは確かな恐怖心。近くで腰を抜かし、地面にへばりついていたデンジュのみがその事実に気づいた。
今から、剣を交える相手は人智を超えた怪物。一歩間違えれば命を落とす、死と隣り合わせの行動だ。彼らは、昨日アーミーナイトに到着したばかりの未来ある若者だ。決して、その感情とは無縁の存在ではない。だが、その感情を押さえ込んでなお、立ち向かう姿を見ても、震えの止まらぬ自分の身体に心底嫌気がさしていた。
いかがだったでしょうか? 気に入ってもらえたのなら、嬉しく思います!
繰り返しになりますが、コメント、評価、ブックマークは私のモチベーションにもつながりますので、ぜひしていただくと幸いです。よろしくお願いいたします。




