第32話 水面の心
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何が起きたのか理解できないまま、巨大な爆音に続いてグラウンドにいる人全員に上空から得体の知れない物体達がが畳み掛ける様に次々と降り注いでくる。乱雑に降り注がれるそれらだが、耳をすませば重い衝突音をたてる物もあれば、パタっと砂塵を巻き上げることもなく静かに着地する物体もあった。
それは、物体の重量によって地面と衝突した際の僅かな音の違い。同様のものが一度に降りかかってくるわけではないようで、シルは奥歯の方をギリッと力強く噛み合わせることで鳴らすと、冷静に上から降ってくる攻撃に対処する。
だが、皆が心を水面のように落ち着かせて行動を移せるというわけではない。既に平行に張られた水の上から物が幾度も放り込まれており、激しい波と小さな波がぶつかり合うようにして発生していた。あちこちで悲鳴が湧き上がり、同時に新入生から実行委員の人が入り乱れるようにグラウンドを逃げ惑う足音がドタバタとこの場所を一気に支配していく。
チラッと見える範囲ではるが、数名が地面にひれ伏したままピクリとも身体を動かさない状況にあるのも確認できた。恐怖で咄嗟にそのような回避行動を取っているようには思えない。それは、人間の生命活動において何よりも重要な役割を果たす頭部を守ろうという行動の片鱗すら見受けられないからだ。
時間にして約15秒ほどだろうか。体感時間ではそれ以上の時の長さを感じたが、ようやく降下物の雨が落ち着く。だが、グラウンドに静寂が訪れたわけではない。辺りは先程までの浮かれた気分を想起できないほど、一瞬にして荒れた状態になってしまった。体力テストで使用していた機材は地面に突き刺さり、仮に設置した試験室などは既に原型を止めていない。同時に上から降ってきていた物体の正体がこれらなのをシルは瞬時に理解した。
次にシルは最初に轟くような音のしたであろう方角に首を向ける。その方角はおよそ森の方角。木々で埋め尽くされていたはずの場所だ。シルの近くには何とか攻撃を回避したデンジュもいたのだが、シルより早くその正体に気づいていたのだろう。腰に力が入らないのか、地面に座り込み、足を震えらせ、目には涙を浮かべ、失禁すらしている。
「これは・・・。そりゃ、試験器具もお手頃で吹き飛ばすはずだな!」
シルの通常の視界に入ったのは、奴の足首。そこまでですらシルの身長を優に超えている。そのまま恐怖に駆られながら、ゆっくりと視線を上に移動させていった。
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