4.初日
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いよいよ今日は間宮商事への出向初日。
緊張する…
私「おはようございます。本日付で御社へ出向になりました、早川と申します。」
受付『早川様、おはようございます。ただいま担当者にお繋ぎいたしますので、少々お待ちくださいませ。』
佐田はもう出勤してるのかな…
あぁーーー、1人は心細いっ
『早川さん?』
私「はいっ!!!」
『あはは、良い返事ですね。おはようございます。』
私「す、すみません…おはようございます…」
なに大きい声出してるんだ自分…恥ずかしい…
『人事部の加藤智樹と申します。まずは人事部へご案内致しますね。』
私「早川蘭です。よろしくお願いします。」
加藤『うちの会社、建て替えたばかりでまだ綺麗なんですよ』
私「ほんと、すごく綺麗ですね。」
加藤『社長が色々こだわりを持っていて…最上階にはフィットネスジムも併設してるんです。』
私「ジムですか!?それは想像以上でした…」
加藤『あはは、公にはしていないので内緒ですが、息抜きに利用している人が多いので、早川さんも是非使ってみてください。』
私「はい、ぜひ使わせていただきます…!」
て、、
私運動なんて全然しないけど…
加藤『着きました。15階が人事部になります。』
私「はい。」
18階建ての立派なオフィスビル。
出向元の会社と比べると雲泥の差…
部長『早川さん、こんにちは。お待ちしてましたよ』
私「おはようございます!近藤商事から参りました早川蘭と申します!どうぞよろしくお願いします!」
部長『私は人事部長の荒川です。よろしくね。』
荒川部長は少し小太りの推定40代の男性だ。
部長『ではさっそくだけど加藤さん、早川さんを配属部署に連れて行ってあげてね』
加藤『はい。あ、部長…早川さんにまだ配属先を…』
部長『あぁ、そうでしたね。早川さんには営業部に
行ってもらいます。』
私「営業部ですか!?」
部長『はい。同じく出向で来ていただいている佐田さんとは階は違いますが、同じ部署になりますので、安心してくださいね。』
私「あ、ありがとうございますっ」
佐田と同じ部署なら安心…
て、、
営業の知識なんてまるで無いんだけど…
どうしよう…
加藤『早川さん、着きましたよ。6〜10階が営業部になります。早川さんにはこの10階で働いていただきます。』
私「はい…」
どうしよう…不安でしかない…
加藤『早川さん?大丈夫ですか?』
私「あ、はい…ちょっと緊張して…」
加藤『大丈夫、営業の経験はないと伺っております』
私「え?」
加藤『ただ課長を補佐してあげてください。』
私「補佐…営業アシスタントという位置ですか?」
加藤『まぁそのような位置づけですね。』
私「……が、頑張ります…!」
課長の補佐…
それもかなり重要なポジションじゃない!?