2.同期
『早川さーん、この資料で分からないとこあって…』
私「んー、どこー?」
『早川さん、この案件なんだけどさ…』
私「どうしました?」
『早川さん、〇〇銀行の山田さんからお電話です』
母に言った通り、私は職場ではシャキッとしている。
上司『早川さん、今日も忙しそうだね〜』
私「あははっ、おかげさまでっ!ニコッ」
忙しそうだね〜、、じゃないわよ!!
上司があんな(失礼)だから、私に余計な仕事が回される
私「はぁ……」
こんな毎日から逃げ出したくて仕方がない。
気がつけば27歳…
周りの友人や同期は、寿退社や育児休暇を取る人が
増えているというのに、
私が増えるのは仕事とため息ばかり…
私は一生仕事人間で生きていくのかな…
このまま、独りぼっち…なのかなぁ
『なーに、シケたツラしてんだよ?』
ーーーープシュッ
私「わっ!!」
『飲め!元気が出るぞ!』
私「ありがと………って、、コーラ!?」
『元気が出ない時はこれに限る!』
私「佐田基準で考えないでくれます…?」
『うっせーなー、ここは可愛く、ありがとう♡だろ』
私「………」
『シカトすな!』
私「あははっ」
彼は私の同期の佐田翼(27)
お調子者だけど、周りのことをよく見ている。
出世街道まっしぐらの営業マン。
私「今日は内勤なの?」
佐田『あぁ、最近営業行き過ぎて疲れたから』
私「自由だなぁ…」
佐田『あ!そういえばこの前取引先の会社で
妙な噂を聞いちゃったんだよね…』
私「噂?」
佐田『なんでもうちが買収されるっていう…』
私「えっ!?買しっ…んぐっ!?」
佐田『声がでかい!!!!!』
思いもしない話に思わず大きい声が出てしまい、
佐田に口を抑えられた
佐田『あ、悪い…』
私「いや、私こそ…てか本当なの!?」
佐田『本当かは分からないけど、そんな噂が業界で
広まってるらしい…』
私「そんな…」
佐田『まぁーでも、その買収するんじゃないかって言われてるのが、あの間宮商事らしい』
私「間宮商事…って、、あの間宮商事!?」
間宮商事は業界トップの企業…
私も就職試験を受けたが、3次選考で落ちてしまった
佐田『だから待遇は良くなるかもな!』
私「…なるかなぁ?」
佐田『友達が間宮にいるから聞いてみたけど、めっちゃホワイト企業だって言ってた』
私「ちゃんと休みくれるのかなっ!?」
佐田『そいつ結構有給消化してるから、休みはしっかりくれるんじゃね?』
私「それ最高!」
間宮商事かぁ…
佐田の話が本当だったら、私の仕事量も少しは減るかな?