依頼を受ける
6話目。
やっと話が進むよ...
「これとこれとこれがEランクでも受けられるクエストよ」
シアが親切に依頼書を取って教えてくれる。
「え〜、こんなに報酬少ないのかよ〜」
「仕方ないでしょ、レオがEランクに下がったのが悪いんでしょうが」
「......ソノトオリデス」
「まぁまぁ、そのへんにしてレオでも出来る依頼を選ぼ?」
「やっぱりエリスは優しい。まじで天使!女神様!」
「俺は男だよ......」
エリスがむくれた顔で言い返す。
「そんなことは置いといてレオの依頼を決めましょ」
シアが話を戻す。
「うーん。簡単なのがないな。これなんかやりたくないし」
1つの依頼書に指をさす。
「どれどれ......へー、薬草の採取ね」
「確かにレオがそんなことしてるとこ想像出来ないわね」
2人してうんうん、と頷きながら語る。
「レオはどんな依頼がいいの?簡単とか高いの以外で」
エリスが聞いてくる。
レオの解答を先読みして"簡単"と"高い"という言葉を除外して、流石は長年一緒にいるだけある。
「うーん。討伐系がいいな」
ギルドには討伐系や採取系、手伝い系など様々な依頼がある。
「ならこれとかどうなの」
シアが1枚の依頼書を見せる。
「コブリン10体の討伐か...へぇ、報酬が50銅貨か」
ゴブリン。Eランクモンスター。人に悪さをする人形モンスター。群れを作って行動する。群れが大きくなると厄介なモンスターだ。
「これなら1人でも出来るね」
「そうだな。これにすっかな」
そういってレオは依頼を受けるために受付嬢の所まで足を運んだ。
「おねーさん。これを受けたいんだけど」
レオは受付嬢にさっきエリスに選んでもらった討伐依頼書を渡す。
「これですね。......分かりました。これの受注を確認しました。」
受付嬢が判子を押す。
「では、ゴブリン10体分の同じ素材を持ってきてください。お願いします」
「分かった。それを討伐の証拠にするってことか」
「その通りです。頑張ってください」
受付嬢が優しく微笑む。
「あいよー」
片手を上げてシア達の元へ戻るのだった。
「どうだ見たか!俺でも受けられる!」
高笑いしながらシア達に言う。
「ええ、そうね。すごいすごい」
投げやりな感じで言葉を返すシアと半笑いするエリスがいた。
「じゃあ、早速行ってくるわ」
レオは依頼を片付けるためにギルドを出ようとする。
「待ちなさい!何処でゴブリンが出るか知ってる?」
「ん?ああ、北にある森だろ?」
「分かるのね。よかったわ。じゃあ行ってらっしゃい」
「ああ、行ってくる」
シアの隣で手を振るエリスに振り返して依頼を達成するためにゴブリンのいるであろう森に行くのだった。
ダリウスとマリナは、まだ口喧嘩中だった。
レオがいなくなったのに気づいたのは随分あとの事だった。
次は勇者の戦闘回!