ギルドにて...
3話目
──冒険者ギルド
冒険者にはランクが存在する。
F~Sまでに別れる。厳密に言えばE~Sまでだ。
Fは、冒険者見習い。
冒険者であって冒険者でない者。
冒険者と認められていない者達を指す。
もちろんレオは、1番上のクラスだ。ダリウスもマリナもそうだ。
1つ下がってシアとエリスがいる。
それが1ヶ月前のレオが知るみんなの現状だった。
冒険者ギルドに行くまで色々な露店を訪れたため、レオの両腕には沢山の食べ物があった。
「あんた、お金ないのにお金使ってもいいの?」
シアが呆れた表情をする。
「らいりょうぶ。らいりょうぶ」
「汚いから。食べ物を飲み込んでから喋りなさい」
しっかりと味わい食べ終わるとレオは口を開く。
「大丈夫。大丈夫。お金を稼ぐ為にギルドに行くんだから」
「お前の大丈夫は、心配なんだよなぁ」
ダリウスが言う。
「そうね。まぁ、大丈夫じゃない?私達がいなかった1ヶ月、ギルドにもちゃんと行ってたのよね?」
「行ってたよ、マリナねぇ」
「なら大丈夫ね」
「何の依頼を受けましょうか?」
エリスが尋ねてくる。
「簡単で報酬が多いので」
「そんなものあるわけないでしょ」
「まぁ、そうだよな。レオはどっちがいい?簡単で報酬が少ないのと少し難しくて報酬が多いの」
「うーん。悩むな」
「そんなの後で考えなさい。もう着いたわよ」
レオに取って難しい問題に頭を捻っているとシアが冒険者ギルドに着いたことを教えてくれる。
レオはどちらを取るか悩んでいた。
楽を取るか、お金を取るか。
冒険者ギルドの中に入る。
ギルドの中に冒険者はいなかった。
時間が時間であるためだ。
今の時間冒険者は、依頼をこなしている。
レオ達は簡単で報酬の多い依頼を受けるためギルドのカウンターまで向った。
受付嬢がレオ達の存在に気づく。
「こんにちは。お久しぶりです、レオ様、それと皆様方。」
受付嬢にレオ達もそれぞれ挨拶をする。
「報酬の多い依頼を受けたいんだけど」
レオが手短に話す。
受付嬢は、言いづらそうに言葉を発する。
「大変申し上げにくいのですが、レオ様はギルドの依頼を1ヵ月以上受けられていません。ですから、ギルドカードの再発行をお願いします」
「あれ?受けてなかったけ、依頼」
「はい」
レオの背中には冷たい視線が向けられていた。
レオは、後ろを向き簡潔に話す。
「俺やっちまった。アハハ」
「レ・オ・〜!!笑い事じゃないでしょ!?」
シアが怒っていた。
ここまで怒っているシアを見たことがあっただろうか。
シアは、魔法を放とうと詠唱をはじめたが、そこで止めるものが現れた。
「やめなさい、シア。此処で魔法を放ったら他の人に迷惑でしょ?」
「だって、マリナねぇ」
「分かってるわ」
マリナもマリナで怒っていた。
「受付嬢、少し外してもいいかしら?」
マリナが尋ねる。
「...ええ、いいですよ」
「行くわよ、レオン」
「......はい」
レオは、カウンターの前にあるテーブルに連れていかれた。
「何やってんだよレオ......」
ダリウスがそう言葉を零すのだった。
こういう展開好きです笑