パーティ結成!
「さあ、どうしようか……」
「ほんとにな……」
「何をそんなに悩む必要があるのよ?」
「そーそー」
ケイディア達3人は、その後やってきたクローベルと合流した。
これで晴れてパーティの結成である。だが、男2人は浮かない顔をしていた。
そのなかで口火を切ったのはダングルスだった。
「まあやってしまったものは仕方ないから、これからどうするかだ。まず誰が前衛職を取るかからだな」
「だから私が取ったって格闘」
「……この脳筋ヒーラーは置いといてだな」
「誰が脳筋だこら」
脳筋ヒーラーがダングルスの胸ぐらを掴み上げていた。
「でも、ダングルスも『両手剣士』取ったんだろ?」
「一応取ったけど、出来れば魔術師として戦いたいからなあ。ほんとは接近されたときの自衛手段程度に使いたい」
だが最悪、魔法剣士方面に切り替えることも考えてはいる、とダングルスは言う。
「俺としては、ケイに前を任せたいんだが、もうジョブ2つ取ってるんだよな」
「そうなんだよ。次のジョブ習得は1000Nかかる」
「あんまり金かかること頼むのもなあ」
「そういうことは困ったときに考えればいいんじゃないのー?」
サリミラの意見にうーむ、と唸るダングルス。
「行き当たりばったりでもなんとかなるってー。楽しむのが一番だよー!」
「砂川は何するにも楽しそうだよな」
「リアルの名前はタブーだよー?」
サリミラちゃんって呼んでねー、と現実の名前で呼ぶダングルスに釘を刺した。
「サリミラだし、そのままミッちゃんって呼んでもいいよね?」
「構わんよー。私はベルちゃんって呼ぶねー」
「ダングルスって気持ち長いんだけど、略称はダンでいいのか?」
「隊長とかリーダーって呼んでくれてもいいぞ?」
このゲームの言い出しっぺであるし、パーティリーダーをダングルスがすることに3人とも異論は無かった。
「じゃあダンで」
「ダンね」
「おいリーダー焼きそばパン買ってこいよー」
「リーダーの扱いひどくね?」
そんなところで脱線した話を戻す。
「じゃあとりあえずはこのまま戦ってみるか。まだ砂……サリミラがどれだけ動けるかわからねえし」
「ふふふ、おまかせあれー」
「それじゃ、冒険者ギルドにでも行くか」
「「冒険者ギルド?」」
ハモった声はケイディアとクローベルのものだ。サリミラはやって来て間もないにも関わらず把握しているらしい。
「依頼を受けれる施設だよー。ファンタジー世界のお約束だねー」
「パーティも組めたし、討伐クエスト受けてみようぜ」