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地雷パーティになりました。  作者: 滝津原
ようこそ!ランドクリエイト・オンラインへ!
11/62

初めての戦闘

 届かない火炎放射に通常の2倍以上の魔力を持っていかれ、無詠唱の『ファイア』が一発打てる程度にしかダングルスのMP(マジックポイント)は残っていなかった。


「町に戻ったときに回復させとけよ……」

「金がかかるからなあ」


 ちなみにMPは時間経過で徐々に回復する。全回復させるためには宿屋、ではなく、教会に寄付金を払うか、酒場などにいる出張回復士に同額の料金を払うことでLP(ライフポイント)も含め回復してもらえる。

 余談だがログアウト状態でも回復し続けているので、魔力が尽きたタイミングでゲームを終えるのが効率がいい。

 などと話しているうちにも、ゴブリンはどんどん近づいてくる。その間にケイディアは更に2発の矢を放ったが、それも回避されてしまった。


「当たらねえ……」

「動いてるんだから偏差射撃じゃないと!」


 投げかけられたクローベルからの言葉にハッとする。そのクローベルは攻撃手段がなく後ろから見守るだけだ。


「なるほど!」

「いや、向かって来てるんだから偏差も何もないだろ」

「……なるほど」


 そう言っているうちにゴブリンは魔法の射程に入ってくる。ダングルスは再び杖を構えた。


「今度こそ俺の炎を受けるがいい!『ファイア』!」


 ブスン、と杖の先から煙が出る。


「今のは……?」

「……話してた部分が詠唱扱いになったらしい。MPだけ全部持ってかれた」

「このポンコツぅぅ!!」


 どうやらMPが足りないと不発になった上に全て消費されるらしい。勉強になるなー、と言いながらダングルスはクローベルに罵倒されていた。


「だけど、この距離なら!『ターゲットシュート』!」

「グギギャ!?」


 ケイディアがスキルを使い放った矢は、ゴブリンの肩に当たり一瞬動きを止めるが、一発で仕留めるには至らなかった。他の1匹がケイディアに一気に詰め寄り、走ってきた勢いのまま持っていた木製の棒で殴りかかる。


「痛っ……くはそんなに無いけどHPが!」

「おおう、体力の減りが激しいな」


 頭の上にHPバー、ではなくLPバーが表示され、そのうち3割が削られていた。攻撃を受けた場所に痛みは無いがピリピリとした感覚がある。

 また1匹、ダングルスに襲いかかる。ダングルスはゴブリンの攻撃を持っていた杖で受け止めた。だが、それでもLPバーが少し減少する。


「『ヒール』!『ヒール』!」

「おう、サンキュー!」


 2人に回復を飛ばすクローベル、だが、回復を使ったことにより、ゴブリンのターゲットが向いた。矢を肩に刺したままのゴブリンがクローベルに襲いかかる。

 これでゴブリン1匹に対し、ケイディア達が1人で戦うという状態になった。


「痛っ!弓が構えられねえ!」

「んー、魔法使えるMP貯まるまで耐えきれる気しないなあ」

「ちょっとぉ!?これってジリ貧じゃないの!?」


 構えようとすると殴られて弓が使えないケイディア、MP0の魔術師ダングルス、回復しか覚えてないクローベル。3人とも攻撃手段が無かった。


「いや、策はあるぜ!たった1つだけ策はある!」

「……とっておきのやつか」

「私もこの前読んだけどさあ……」


 ダングルスは2人に視線だけで合図を送る。そして


「逃げるんだよぉ!!」


 脱兎の如く逃げだした。

逃げるときのお約束。そしてプロローグへ

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