表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地雷パーティになりました。  作者: 滝津原
ようこそ!ランドクリエイト・オンラインへ!
1/62

プロローグ

 この世界には8つの大陸がある。そのうちの一つ、第4大陸の中で最も大きな街イトリス、その南側には小さな森がある。

 そして、いくつかの影がその森の中を走っていた。

 影は6つ。大きな影のあとを小さな影が追っていくように駆けていく。


「おい!撒いたか!?」

「まだ追ってきてる!」

「なんであんなの相手に逃げないといけないのよー!」


 大きな影の内訳は、男の声が2つ、女の声が1つ。木々の間を縫うように小さな影から逃げていた。


「ギギャギャギャグギャ!」

「ギャギャグギャギャギャギ!」

「ギギギャギャー!」


 それを追う小さな影も3つ。グギャグギャと奇声を発しながら追ってくる。こちらは奇声を発するだけで聞き取れる言語を喋っていない。小柄な体で器用に追っているが、体格の違いからか、追う影のほうが少しずつ離されて行っているようだ。


「これ、他のプレイヤーに会ったらMPKになるんじゃないか?」

「ゴブリン3体でMPKだって怒る奴もいないだろw」

「笑ってる場合じゃ――」


 ――ガサッ!

 走る大きな影、3人の人間の前に、不意に1つの影が飛び出してきた。


「ギギャギャー!」

「っ!?」


 目の前に飛び出した新たなゴブリンを前に、逃げる方の影の1人、黒髪の少女がたたらを踏んで立ち止まる。


「黒瀬!?」

「まずいっ!」


 立ち止まった少女に、男2人は振り返る。


「ギギャギャギャ!」

「ちっ!《ターゲットシュート》!」


 片方の男が弓を構え、矢を放つ。その矢は緑色の光の軌跡を描きながら飛び、ゴブリンの背中に突き刺さった。


「グギャー!?」

「このっ!このっ!」


 弓矢一発では倒しきれなかったが、黒瀬と呼ばれた少女が持っている杖で2回殴ると、ゴブリンはエフェクトと共に消滅した。


「ケイ、ナイスフォローだ」

「……だけど」


 だが、逃げていた3人は今立ち止まっている。それは追ってくる3体のゴブリンに追い付かれることを意味していた。


「グギャギャギャギャ!」

「ギギャ!ギギャ!」

「ググギギャー!」

「ギギャギャギギャ!」

「なんか増えてない?」

「逃げてるうちに釣れたんだろうなあ……」

「しかもスリングゴブリンだな。飛び道具使ってくる奴」


 半円状に囲まれており、これ以上逃げるのも厳しそうだ。一度逃げた以上警戒されているだろうし、例えうまく逃げ出したとしても、またさっきのように新たな敵とエンカウントすれば絶望的だ。


「3体相手に逃げて4体と戦うって矛盾してないか?」

「ケイそれは違うぞ。さっきは逃げるという選択肢があったが、今回は無いんだ」

「初戦で死に戻りは嫌ー!」


 立ちはだかる4体のゴブリンを前に3人は武器を構える。

 その後、4匹の魔物を前に、3人のパーティはあっけなく全滅した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ