2話 真実と別れと出会い
キャラクタープレゼンツ
国王「1話目に登場した、国王です。ここでは毎回、お話に登場して来た、キャラクターが誰かしら、何かを言います。つぶやきコーナーと言う物ですね。頑張ります。…って、もう終わり?」
あの後、国王直々の案内で、食事を取る事と成った。
召喚された反動か、先程までは気を張って居た為に感じられなかった脱力感がやって来た。
正直、食べ物が喉を通らない程だ。
他の皆は、そうでも無いらしいのだが、俺は無理矢理に食べ物を飲み込んだ。
「美味いな!なぁ!理九!!」
「ハルトは何時も元気だな」
「食事も静かに取れんのか?…これだから馬鹿は………。」
「理九にバカが移ったらどうするの?死ぬの?」
「主人公は私よ?……調子に乗らないで下さいね…駄犬が…這い蹲ってボールでも追い掛けて下さい」
「何か、俺の扱い酷くない?…ねぇ、理九!!助けてくれよ!」
確かにさっきから、ハルトだけ、扱いが悪い。
「え?何て言ったんだ?犬語は分からない」
そう言うと、ハルトは部屋の隅っこで拗ねてしまった。
「わ、悪かった…冗談だよ、ハルト!お前はバカじゃない、天才だ!俺が保証する!」
「り、りく……お前の事だけは、信じてたぞ!!」
「ああ、理九にバカが移っちゃった。」
「どうしてくれるんだ、理九にバカを移す何て……バカなのか?」
「主人公の私には近づかないで下さいね?バカが移ります。この伝染病犬めが……。」
「り、りくぅぅぅぅ………」
「こら、こら…あまり、ハルトをいじめるな…可哀想だろ?」
「「「別にー」」」
本当、中が良いんだから……。
食事の後は、国王にこの世界で戦って行く上で、必要な事を教えてもらった。
先ずはステータスに付いてだ。
「先ず、ステータスの出し方に付いてですけど…」
「分かっているわ、ステータスと言ってから、それを頭の中で念じれば出てきます」
カナエはそう言って居るが、彼女は見えない何かを見ている様にしか見えない。
「はい、お気付きに成ったと思いますが、ステータスを開いても、他人には見えません、なのでこちらを見て下さい」
すると、国王の隣に、デッカいスクリーンの様な薄く透けた板が表れた。そして、そこには国王のステータスが書かれて有った。
「私はスキル"上位鑑定"を使って、自分自身を鑑定して、皆さんにお見せして居るのです」
名前 アヴィス・ルイクルエッド・スターフィールド
年齢 34
性別 女性
種族 上位人間 (ハイヒューマン)
ジョブ
「王女Lv50」「国王Lv80」「女騎士Lv50」「女聖騎士Lv70」「聖騎士団長Lv80」「二刀騎士Lv60」「戦乙女Lv20」「英雄王Lv90」「聖女Lv50」
スキル
「上位鑑定」「計算術」「国王政治術」「体術」「身体強化」「ナイフ術」「剣術」「二刀剣術」「槍術」「盾術」「光魔法」「回復魔法」「水魔法」「火魔法」「魔装剣術」「魔装障壁魔法」「風魔法」「土魔法」「体質強化」「毒魔法」「闇魔法」「全上位魔法変換」「魔法融合変換」「炎魔法」「氷魔法」「雷魔法」「呪術無力化」「多重結界」「二重詠唱」「三重詠唱」「英雄王剣術」「封印聖剣プリズンソード」
称号
「意思を継ぐ者」「お姫様」「王女様」「国王」「聖騎士に成った者」「努力者」「英雄に成った者」「竜殺しの英雄」「魔族殺し」「封印の巫女」「光指す者」「希望を持つ者」「裏切られし者」「期待する者」「絶望する者」「救いを求める者」「四人の勇者と共に行く者」「共に歩む者」「勇者に並び立つ者」
それを見て、息をするのも忘れる。
どれ程の修羅場を潜り抜ければこの様に強く成れるのか……。
最初に会った時の、あの風格、オーラが、やっと理解出来た。
努力何て言葉では言い表せないほどの事をこの女はやって来たのだ。
説明が無くたって俺には分かる、天才では無い身で、彼女は勇者の場所まで登り詰めたのだ。
意思を引き継ぎ、ありとあらゆる困難に立ち向かい"四人の勇者"と共に戦う為に……え?
すると突然、国王は自分のステータスを仕舞う、鳥肌が立つ。
仲間達を見ると、皆自分達のステータスに夢中の様で国王の話しを聞いて居なかった様に見える。
俺は自分のステータスを見るのが怖くなった。
「う、ゔぅ……ゔわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
突然騒ぎ出した田中に困惑する四人、しかし、一人だけ即座に動いた者が居た。
「ごめんなさい!」
「っゔつ!?」
田中は国王の全力パンチを溝うちにまともに食らい、気絶させられた。
「理九!!」
「国王!!何が有った!!」
「り、りく……?」
「説明して下さい」
困惑する四人を他所に、国王は田中を抱きかかえて、肩に掛ける。
女性とは思えない程、軽々しく田中を持ち上げて見せた。
「私にも、分かりません……ですが、この方は私が面倒をします。皆さんは用意した部屋に行って、今晩はもう寝て下さい……明日もする事が沢山ありますので………。」
国王はそれだけ言うと、田中を抱えて四人を置いて行って仕舞う。
「ど、どうすればいいんだ?」
「従うしかあるまい」
「………りくは大丈夫かな?」
「理九も勇者に選ばれた者ですから……大丈夫でしょう…それに私は勇者ですので、明日に備えて寝させてもらいます。御機嫌よう」
カナエはメイドに案内してもらって、自室へと向かって仕舞う。
残された三人も、結局、自分の自室へと向かう。
お互いを"友達の友達"程度にしか思って居ないので、特に話す様な事も無い。
皆は天才であり、孤独なのだ。
勇者のステータス紹介
名前 青森春斗
年齢 15
性別 男性
種族 上位異世界人
ジョブ
「異世界人Lv1」「光の勇者Lv1」
スキル
「限界突破」「身体強化」「加速」「光魔法」「雷魔法」「剣術」「魔装剣術」「勇者剣術」
称号
「スポーツの天才」「理九の友達」「人気者」「魅了する者」「輝く希望」「異世界人」「光の勇者と成った者」
名前 打部正司
年齢 15
性別 男性
種族 上位異世界人
ジョブ
「異世界人Lv1」「刀の勇者Lv1」
スキル
「打部流剣術 免許皆伝」「剣術」「刀物庫」「無刀真剣」「身体強化」「風魔法」「魔装剣術」「勇者抜刀術」
称号
「天才剣士」「侍」「理九の友達」「打部流剣術 免許皆伝」「破門された者」「異世界人」「孤高なる剣士」「美しき人」「刀の勇者と成った者」
名前 六花理科
年齢11
性別 女性
種族 上位異世界人
ジョブ
「異世界人Lv1」「魔法の勇者Lv1」
スキル
「ハイスペックノウズ」「超幸運」「鑑定」「完全魔法」「アンチマジック」「五重結界」「魔力回復速度十倍」「魔力吸収」
称号
「天才科学者」「創生主」「理九の友達」「優遇されし者」「親に売られた者」「施設の住人」「異世界人」「恋を知らぬ者」「魔法の勇者と成った者」
名前 戦闘院 加奈恵
年齢 15
性別 女性
種族 上位異世界人
ジョブ
「異世界人Lv1」「弓の勇者Lv1」
スキル
「精密射撃」「超遠距離射撃」「炎魔法」「氷魔法」「毒魔法」「魔装術」「身体強化」「テレポート」
称号
「精密投の天才」「理九の友達」「弓の勇者と成った者」
知らない部屋で目を覚ました俺の隣には国王が眠って居た。
「……何で?」
すると、眠って居る筈の国王がその質問に答える。
「さぁ……男女が同じベッドでする事と言ったら、私は二つしか思い浮かばないのですが?」
「うわ!?……い、いえ!…俺は何もしてません!!」
「これからするかもしれませんね」
「しませんって!!」
「しないのですか?」
「嫌でしょ!!」
「初めてなので…優しくぅ…お願いしますよ?」
「だから!しませんって!!」
田中をからかい終えた国王は、笑顔でベッドから、抜け出す。
三十代のにも関わらず、何故彼女はこんなにも若く見えるのか、不思議だ。
「失礼な事を考えていますね?」
「考えて無い、それと余りからかわないでくれ……疲れてるんだ」
「それは呪いのせいですよ」
「呪い?」
「はい、世界の呪いです。その様子じゃあ、自分のステータスを見て居ないのでしょう……。」
ステータス、とてもじゃないが今は見る気には慣れない、俺は天才なあいつらとは違う、戦う為の力が有る筈が無い。
俺はそれを見るのが一番怖かった。
友達であるあいつらと一緒じゃ無いのが辛い、いや、隣に立てない事が一番、辛いのだ。
「怖いですか?」
怖い?何が?
知らない場所が?異世界が?魔王が?……そんな物が怖いのか?
「辛いでしょ?苦しいでしょ?」
辛い?練習が?修行が?苦しい?痛いのが?熱いのが?寒いのが?………その程度の事が?
「君は何がしたいんですか?」
何がしたいのか?…そんな物は決まって居る…あいつらと同じ土俵に立ちたい。あいつらと同じ目線で歩きたい。
もう、下を向くのは嫌だ。
俺も勇者に追い付く。
「おぉ?…顔付きが変わりましたね?…何か分かったんですか?」
「ああ、分かった。…俺は明日、城を出る……あいつらには適当に言って置いて欲しい……俺は自分の力で勇者に成って見せる。」
俺はステータス画面を開いた。
名前 田中理九
年齢 15
性別 男性
種族 人間 (ヒューマン)
ジョブ
「兵士Lv1」
スキル
「ジョブマスター」「聖級回復魔法」「体術」「剣術」
称号
「挑戦者」
呪い
「堕天化の呪い」
やはり、勇者ではなかったが、俺にはやる事が出来た。
この世界でなら、あいつらと同じに成れる。
だが、先ずはレベルアップをして、ジョブを増やさなければ……。
田中はそう思い込む事にした。
「まぁ、いいですよ……貴方の望みは叶えて上げます。必要そうな物は全て、貴方の部屋に揃えて置きました。好きなだけ持って行ってください………さぁ、部屋を出て、メイドに部屋の場所を聞いて行きなさい」
俺は直ぐに飛び出した。
旅の準備をする為に………。
翌朝、城内から田中の姿が消えた。
田中は四人それぞれに対して置き手紙を残して行った。
四人は田中を探そうとしたが、国王に止められてしまい、田中を探しに行く事が出来ず、そのまま、四人は勇者としての修行を余儀無くされた。
これは新入りギルド受付嬢のニカルペが体験した、ギルドでの出会いである。
私はニカルペ、先輩受付嬢にはニカと呼ばれています。
入団して一年の新人で、普段は人が少ない、と言うより、全く居ない朝に受付をしていた時の事だ。
全く人のいない、ギルドのホールに一人の男性が入って来たのです。
夜遅くに帰ってくる冒険者の為に、夜勤で働いて居た受付嬢と代わったばっかりで、もう人は昼間まで来ないと思って居ました。
黒のベルトトップに黒のズボンとブーツ、しかし、コートは真っ白で、不思議オーラ全開でギルド内をキョロキョロして居ました。
その時に、たまたま目が合ってしまい、私はビックリして、つい目を背けてしまいました。
慌てて彼の方を向くと、彼はいつの間にかに近くに来て居て、私は心臓が止まるかと思いました。
身長の低い私は彼を見上げました。
そこでも彼と目が合ってしまう、恥ずかしいのを我慢して、見つめて居ると、彼は私に質問しました。
「君は受付嬢…だよね?」
なんと、私は彼を見つめるばっかりに、接客を忘れて居たのです。
しかも、よく見ると彼はとても美形で、恥ずかしく成った私は、頭を下げて謝る事にしました。
だけど、身長の低い私です。
おでこを思いっきり、机にぶつけて仕舞いました。
それのせいで額を切って、血を見た私はパニックに成ってしまいました。
色んなミスを重ねた私は、先ずどれから対処すればいいのかを分からなくなってしまったのです。
すると、彼は私の腕を掴み、強引に顔を彼の方に向かせられました。
怒られると思った私は、目をつむりました。
ギルドにやって来るのは冒険者か依頼人です、しかし剣を持っていた彼はきっと冒険者なはず。
そして、冒険者とは気の荒い奴等ばっかりなので、正直、殴られるかと思いました。
しかし、いくら待っても、パンチは来ません、私は恐る恐る目を開けると、流れていたはずの血が止まって居たのです。
そして、柔らかい布の様な物で顔をゴシゴシされて、やっと解放されました。
彼は私の傷を治してくれたのです。
回復魔法はとても貴重で、魔力を大量に使うと聞いた事があるので、それを私なんかの為に使ってもらえるとは思ってもいませんでした。
彼は私を気遣って、休む様に言ってくれましたが、彼にこれ以上迷惑をかける訳にはいかないと思い、せめて彼の用事だけでも済ませようと言いました。
すると彼は「じゃあ、ギルドに登録したいのだけど?」と言いました。
最初は耳を疑いましたが、彼が書いてくれたプロフィールに、彼がまだ成人では無かったのです。
ギルド登録は滞りなく終わると最後に彼は自己紹介をしてくれました。
「俺はタナカ リク…よろしくねお姉さん」
これが私と彼との出会いであったのだ。
ギルド登録を終えた俺は、ギルド受付嬢である、ニカルペこと、ニカさんに、ギルドの説明を聞いて居た。
「先ず、ギルドについて、どのくらいご存知ですか?」
「まったく、知りません」
「では、最初にギルドが何の為に有るのかを……」
「いや、利用方法と罰則に付いてだけでいいよ、面倒くさいから」
「分かりました。では…」
大事な事だから、先ずは冒険者の階級に付いてお話ししよう。
冒険者の階級は全部で十二階級あり、その階級の数が低く成る程、難しい依頼を受けられる様に成る。
階級を上げるのには三つの方法がある。一つがその階級の討伐系の依頼を十個以上こなす事、二つ目は寄付金、階級に応じた寄付金をギルドに寄付をする事、最後は緊急討伐だ。緊急討伐は一つでもこなせば一つ階級を上げる事が出来るのだ。
罰則に付いては簡単で、依頼が失敗した時や取り消した時に報酬の半分の金額が没収されてしまう。これは依頼放棄やイタズラを避けるためだ。
それと、同階級とそれ以下の依頼を連続で失敗すると、階級が下がり、受けられる依頼の階級が強制的に下げられる、自分の力を過信し過ぎて、無駄死にさせない為の措置だ。
最後にギルド脱退に付いて、基本的に脱退は、年退職、大怪我や病気(中には教官として新人育成をする人も居る)などの依頼を受けられない人にのみ認められる、例外は依頼を三ヶ月以上依頼受けないで居ると、強制脱退させられて、二度と依頼を受けられなく成るのだ。ちなみに階級が上がるとこの期間が伸びて最終的には無くなる。これはあくまで登録したのに仕事をしない人を無くすための物である。
「依頼を受けられる際は、掲示板を見て、受ける依頼の貼り紙をこちらまで持って来て頂ければ受理しますので、その様にしてください。後は常備出ている依頼があります、これは一々貼り紙を持って来なくとも、依頼名と証明部位を持ってくれば、依頼を受けた事に成りますので、報酬をもらえます。…ではこれで、簡単な説明を終わりにします。質問があれば受け受けますが、何かありますか?」
「いや、無いよ…聞いて居た通りだった。ありがとう」
「いいえ、これも仕事ですから!……っあ!…あの!私、ニカルペって言います、親しい人達からはニカって呼ばれています!…そ、その!これからよろしくお願いします!」
「あ、うん、よろしくねニカルペさん…。」
何か元気のある人だなぁ…。
俺は変な人と出会ってしまったのかもしれない。
ステータスコーナー
田中「田中です。ここは俺のステータスが更新した時、または話しに出て来たけどステータスが公開されなかった人物のステータスが書かれる様に成ります。ついでに俺がたまに解説するから、読んでくれよな?」
国王「私もでます。」