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#5 鞭と鞭

《お早う、諸君。先日はよい働きであった。この調子で、次の任務にも努めてほしい》

「勘弁しろよな…」

明朝4時、40人はホールの冷えきった室内に居た。

そして、大口を開けたダイバーが、40人を待ちかまえていた。

《今回は、ホワイトボディーと具現装甲機に、レーダー機能を取り付けてみた。レーダーの青い点はホワイトボディー。そのうち、紫の枠で囲まれた青い点は、防衛庁のホワイトボディー。で、赤い点が敵性具現装甲機で、防衛庁所属の具現装甲機は紫の点だ。しっかり覚えておきたまえ。尚、レーダーの導入を機に、諸君等には、積極的な援護に回ってほしいと思う。いち早く護衛任務を終えた者は、すぐに近場の仲間の元へと行き、応戦するべし。諸君等の健闘を祈る》

「レーダーだってよ」

《それともう一つ。グループγについてだが、指示があるまでダイバー内で待機せよ》

一方的なブリーフィングと共に、立体プロジェクターは役目を終えた。

「さて、仕事に行くかな」

レイルとグラノッチが1番機2番機に乗り込んだのを確認すると、カイネンは7番機へと乗り込み、ハッチを閉じた。

そして、ヘッドギアを頭に装着しようとしたところで、ホール内の雰囲気が怪しいことを察知した。

「何だ?」

カイネンはハッチを開けようとしたが、開く気配がない。

「手動では開かないのか」



「どうしたんだよ」

イラが到着すると、そこには数人の手で押さえ込まれたミザンツェの姿があった。

近くに居たユーロが、「おう、ジーちゃん。昨夜ぶり」と挨拶もそこそこに、状況を簡潔に説明した。

「俺もよく分かんないんだけどさ。死体が無いって、ミザンツェが叫んでんだ」

「死体が、…ハロウズとタンブルックか?」

「ああ。どうやら、誰かが回収したんだろうけどな。ダイバーの中で死んだ場合、ハッチは開かないから、大方防衛庁の人たちが回収したんだろうな」

「ってことはさ、…やっぱ、この建物…出入り口あんのかな…?」

「そーだろーけどなー。でもいい加減、空気の入れ替えぐらいはしてほしいよなー」

呆れた数人がダイバーへと乗り込んでいく。

怯えるミザンツェの元に、イラは一人、歩み寄った。

「みんな待ってるみたいだぜ。どうやら、一人でもダイバーに入ってないと、接続はされないんだとさ」

「…うん」

ミザンツェは虚ろな瞳のまま、残された一番端のダイバーへと乗り込んだ。

「…あの顔…」


ミザンツェがハッチを閉めようとした時、イラはミザンツェのダイバーに向けて走り出した。

しかし、ハッチは閉まり、ミザンツェはイラが近づいていることさえも気づかずに、ヘッドギアを装着した。

イラはその一瞬を見逃さなかった。

《グループγ以外の人員を確認。接続を開始する》

そのアナウンスが鳴り響く時、すでにダイバーのハッチは黒ずみ、中は見えなくなっていた。

「…やっぱ、泣きはらしてたんだろう。昨日、あいつは寝てないな…」


*


「なぁ、なぁ」

ホールの隅で天井を眺め、我を忘れていたイラの隣に、男が現れた。

イラは時計を確認してから、自分が3時間以上同じ体勢だったことに気づき、内心驚きながらも「なんだ?」と受け答えた。

「お前、名前何ていうんだ?」

「俺か?」

フレンドリーなその男は、イラより少し低めの身長と、端がつり上がった目が特徴的な男だった。

「まずは自分から・・・」

「そうそれ!スマンね。俺はダーツ。ダーツ・マグラス。んで?」

「俺は、イラ・シャープラン」

「そうか、イラね。よろしく」

ダーツは「ああ、あれあれ」とブツブツと独り言を呟いていた。

「どうした?」

「初対面で悪いけどさぁ、カミングアウトしていい?」

「カミングアウト?何だ?」

「俺は、ドゥーリンのヤツに惚れたんだっ」

「…は?」

ダーツは「アー、いっちまっター!!!」と一人で大盛り上がりである。

「昨日さ、『息吸いましたー』ってなノリで、『具現装甲機一体破壊しましたー』って言ってただろ?」

「あ、ああ、確かに」

「惚れるね」

二人の間に沈黙が漂う。

「見た目も申し分ない。スラリと高く妖艶で、小顔、んでドSって感じだよな!」

「ドS…ああ、確かに」

イラの足の親指が疼いた。

「なんつーか、他の女はダメだな!テルスナンバーツーのアイエスは・・・子供っぽい。胸は平地だし」

「そうか?Cはありそうだけど」

「それでも!ドゥーリンはE以上あるね!フッカフカ!」

「…」

イラは、何処か、その会話に不快感を覚えていた。

内容に関してではなく、イラは、その会話の調子に対し、何処か恐怖を覚えていた。

そして、その正体に気付いた時、イラはそれを口にせずにはいられなかった。

「あのアイエスといつも一緒に居る…何だっけ?」

「おい、ダーツ」

「ん?」

「やけにウキウキしてるな?」

その質問に、ダーツは「そうかい?」と陽気なテンションで返した。

「これが普通だけど?」

「…普通で、居られるか?」

「はい?」

「このわけの分からない閉鎖空間に閉じこめられて、無理矢理戦闘を強要されて、昨日、二人死んだんだ。俺の普通はもっとテンション高いぜ?でも、上がらない。不安で不安で仕方ないからな」

「ふぅーん」

その反応にも、イラは怒りや恐怖を覚えた。

「これ、下手したら死ぬんだぞ?怖いだろ?俺はかなりこわ」


「怖くないな。ちっとも」


「…何だって?」

「それに関しては、なんか自分の中で納得しちゃってるっていうか、妥協しちゃってるっていうか・・・、とりあえず、何か、安心してる。俺は死ぬ気がしないよ。全くね。寧ろ、早く出撃したいとも思ってる。それで敵をぶッ殺せば、ドゥーリンだって俺を認めてくれるかもしれないだろ?」


イラは、ただその男の話を聞いていた。

「ああ早くドゥーリンとヤりてぇよクソ、言葉にしなきゃ抑えらんねえよクソ、今朝だって何発抜いたか分かんねえよクソ、ああクソ、ドゥーリンのハッチ開かねえかなクソ、クソクソクソクソ・・・」


イラは「ちょっと用を足してくる」と言い、ホールを後にした。

トイレへ入ると、イラは大きくため息を漏らすとすぐ、「何なんだ」と思わず口にせずにはいられなかった。

「…」

イラは、昨夜のことを思い出していた。

(大事なことがあった日は、寝ない方がいい・・・んだったか。どういうことだよ。んで、何で俺だけに言ったんだよ…)

ドゥーリンから他言厳禁だと念押しされたからには、イラは下手に相談することもままならず、モヤモヤとした感情を一人で処理するしかなかった。

「また、ドゥーリンに聞いてみよう。何か知ってるのかもしれないしな」

鏡に映る姿を一瞥したイラ。やつれた顔がよく映えていると、自虐気味な笑みを浮かべると、トイレのドアに手をかけた。

その時。


《グループβ、ダッチ・リンスーンからの援護要請を確認した。グループγのうち3名はただにダイバーへ搭乗し、ダッチ・リンスーンの援護に向かえ。繰り返す…、グループβ、ダッチ・リンスーンからの援護要請を確認した。グループγのうち3名はただちにダイバーへ搭乗し、ダッチ・リンスーンの援護に向かえ》


イラは柔らかな心臓が鷲掴みにされたような心地を覚えた。

「戦闘が、始まってんのか?」

迷わず、その足はホールへと一直線に向かった。


ホールに入った時、イラは、ハッチが開いたダイバーがすでに"7つ"になっていたのを確認した。

つまり、3基にはすでにグループγのメンバーが搭乗していた。

近くで、足を抱えて身を縮めた女子にイラは尋ねた。

「もう、3人、入ったのか?」

「う、うん、…まっさきにダーツ君が入って、その後にルナさんとギャズ君が入ったよ…」

イラはルナがグループγだったことに内心驚きつつも、自分が知らなかっただけだと納得し、その女子にもう一人のギャズという男についていくつかの問答を繰り返した。

「えっと…名前…」

「私?私はイザベル・レッド・フィールド」

「えっと、イザベル。ギャズってのは、どんなヤツなの?」

「え?えっと、…細身な感じで、歯に矯正器具が付いてたよ」

「…強そう?」

「分かんないよ。あの中ではダーツ君が一番やる気あったみたいだし、ダーツ君が一番強そうだったけど…」

「そっか」

そこで、ホール内の照明は突如消え、立体スクリーンが天井から映し出された。

「今度は何だよ…」

「あ、あれ」

映像は鮮明に映し出された。


そこに映し出されていたのは、誰かの視界のようだった。


「…おいおい…」


橋の上に、具現装甲機がニ体居た。ひしゃげた車、歪んだ欄干、すでに戦闘が始まってかなりの時間が経ったということが、映像越しでもイラには理解できた。

その具現装甲機らは、白兵戦を繰り広げていた。

しかし、どちらが僚機であるかは判断できなかった。

「どっちが敵なんだ・・・?」

しかし、暫く観察すると、一方の具現装甲機のシルエットは、女性らしい曲線を描いていることが判明した。

動きも女性のそれに近かった。

「ルナ、かな?」

出し抜けに、何処からかアラームが鳴り響いた。

ホール内にいた7人はその音に少なからず動揺していた。

「何だ、今の音…」

イラたちは、"明らかに様子がおかしいダイバー"を見つけた。

グループγのダイバーだった。

「一番端のダイバーのアラームが鳴ってるぞ!!」

7人はそのダイバーに駆け寄った。

ダイバーのハッチを覆っていたはずの黒い靄が消え、ヘッドギアを付けた男が現れた。

「ダーツだ!!接続が切れたんだ!!」

「ってことは、まさか…!!」

全員の考えが一致するのには時間はかからなかった。


「…ダーツが死んだ?」

「ぅうううわぁああああああぁぁぁ…ッッ!!!!」

「んなバカな!接続開始して15分程度だぞ!!」


ダーツの身は不気味な痙攣を繰り返し、ダイバー内の狭い壁に当たり、ガタガタという不気味な音を鳴らしていた。

さらに、彼は屎尿を垂れ流し、それらは足下まで流れていった。

「ダッチ含めて、4人居たはずだろッ!?アドバンテージはこっちだったんだろ!!?」

「いや、敵側が4人以上居たのかもしれない…」

「うわぁああッッ!!もう嫌だぁあッ!!!」


しかし、そんな場の空気も読まず、新たなアナウンスがホール内に反響した。


《グループγのうち一人は、ダイバーに搭乗せよ。ただちに接続を開始する。繰り返す、グループγのうち一人は、ダイバーに搭乗せよ。ただちに接続を開始する》


アナウンスが終わり、7秒ほどが過ぎた。

「いやぁあああああッッ!!!もういやぁあああッッ!!」

一人の男子が発狂し、全身に浮かべた汗を拭うこともなく、ホールの扉へと向かって走り始めた。

「どうすんだよッ!!誰が行くんだよ!!」

誰かが言った。誰一人として、答えようとはしない。

「このままじゃ、…ルナやギャズもどうなるか分からない…、早く、誰か一人が…」

やや小太りの男がそう言うと、すかさずその男の頬に拳が飛んだ。

「じゃあテメーが行けよデブッ!!オメーが加勢してこいよッ!!」

「バカ野郎、喧嘩すんなってッ!!」

筋肉質な男が小太りの男に追撃しようとするが、それを長身の男が止めた。

状況は、最悪なものへと変わった。

「お、おい」

誰かが立体ディスプレイを指さした。

モニターには、レーダーが映っていた。

紫の点が3つ、一つの赤い点を囲っていた。

そしてそこに向かって、一つ、紫の点が接近していたのだ。

「誰かが応戦に入ったッ!!」

「つーか、敵は一人なのかよォッ!!」

接近する紫の点は、迷わず、その赤い点に向かって飛び込んだ。

イラは、もしやと思い、「リィード隊長!今、敵と対峙したストライカーは誰ですか!」と立体スクリーンに向けて叫んだ。

返ってきた答えは、


《グループβ所属、オーラン・ウルフスキン》


「あ、あのテルスの!!」

「いいぞオーラン、そいつをぶッ叩け!!」

もしかしたら、オーランがその敵を倒すかもしれない、そう誰もが思った。

イラ・シャープランを除いて。


「4対1で、しかも15分足らずで、一体、何機の具現装甲機を倒した?」

その敵の異常さ。

まだ未だに肉眼で目撃したわけではなかったが、イラはそれがどれほど"規格外"なのかを、実感できていた。

「俺がタイマンを張れば、確実に死ねる…」


「あ、オイ!!」

何処かで声がした。

その声で我に返ったイラは、その男が指さす方向へ視野を移した。

「一人、また、死んだ!!」

ホール内のダイバーが悲鳴を上げた。グループγの彼らが居る方とは反対側の列にあるダイバー。そのうちの一つの、黒い靄が薄らいでいく。

「あそこは、グループβの・・・!!」

「ダッチだ!!ヤツも死んだんだよッ!!」

イラはそのダイバーへ駆け寄り、ダーツ同様に身体を痙攣させるダッチを見るなり、ホール全体に響きわたる声で叫んだ。

彼自身でも驚くほどの声だった。

「隊長、中止だ!!すぐにそこに居る奴ら全員の接続を解除してください!!敵が強すぎるッ!!」

返答はない。

「隊長!!このままだと、ただ"いたずらに"ストライカーが死んでいくばかりです!!すぐに現場のスト…」

《ただ今より、指名を始める。イラ・シャープランとイザベル・レッド・フィールドはダイバーへ搭乗せよ。ただちに接続を開始する。従わない場合は、しかるべき処罰を与える》

「断る!!」

イラの怒りは頂点へと達していた。

「あんたの指図は受けない!!この死に神が!!命令するだけだ!!俺たちが何故戦わなきゃならないかを、あんたは全くせつめ…」


グシャッ。


イラの言葉が詰まった。

まるで喉に石でもつっかえたようだった。

「今の・・・何の音だ・・・?」

寧ろ、"無理矢理詰め込まれた"というのが、正しいか。


イラは手先に違和感を覚えた。

まずは熱かった。次に、痛覚が働き始めた。

「あ、ああ、・・・」


滴る血液。


誰の目も視認できぬ間に、イラの右手の小指、第二関節から先の"肉塊"は数ミリの皮も残さず、完全に切除されていた。


「ヒィィィ!!!」

誰かの悲鳴さえも、イラの耳には届いてはいなかった。

ただ傷口を押さえ、目を泳がせていた。

「何だ、いつ、いつ、いつ、いつ・・・いつ、切られた?」

泣きじゃくるイザベルはダイバーへと乗り込み、小さくうずくまった。

「すいませんでしたすいませんでしたすいませんでした!!!」


アナウンスが続く。

《ただちに接続を開始する。ダイバーへと乗り込め》


イラの思考は、もはや破滅していた。


「ぁぁぁああああぁぁぁぁあぁぁぉぉぁおあぁああああ」

胃液を吐き、それは防衛庁の制服に染み込んでいく。

轟く声は止まず、ホールを大いに包み込んでいく。

《イラ・シャープラン》

リィードは、まるで"他人事"であるかのように言う。

《次はつま先だ》

「んんのォやろォォォァァアッッ!!!!」


イラの視界に、またもやレーダーが映った。

イラはしばらく何かを思い、何かを叫ぼうとしたが、また何かを思い、彼は右手を押さえたまま、ダイバーへと倒れ込んだ。


*


カイネンは一人の男性のホワイトボディーが、人間とシンクロしているのを呆然と眺めながら、思考していた。

(共存、だとは言うものの・・・、それすらも怪しい。本当にこいつらは共存なんかを目的にしているのか?)

そこはマンションに囲まれ、ぽつんと存在していた公園。真夜中なだけあって、閑静であった。

ダンボールの上で寝そべる男とのシンクロ誤差が0.002%だったことから、難民である男は迷わずその人間との共存を選んだ。

「あれぇ~?俺は何してたんだっけ…?」

その男には、すでにカイネンの姿は見えていなかった。

「AQ-SP338351の人間たちの目では、特殊フィールドに守られている俺たちが見えなくなるんだったな」

男はダンボールの上でしばらく俯き、大きくため息を吐いた。

カイネンは「なるほどな、コイツも、大変だな」と一言呟いていた。

「昨日の親子といい、この男といい・・・決して幸せそうな生活ではないな、この惑星のものも」

カイネンの視界に、メッセージボックスが映った。

宛先は"ドルヒン・クルエマリ"というテルス出身のグループα。

常に敬語で、堅苦しい言葉遣いが、カイネンと似通っているというイラの言葉をカイネンは思い出していた。

「援護要請だと?ここから3km先・・・か」

カイネンは場所を確認した。

レーダーが指し示すのは、比較的広めな建造物だった。

「"駅"、か。よし、すぐ行くとしよう」

カイネンは公園の門へ向かって、一歩足踏み込んだ。

その時だった。

彼の肌を刺すような寒気が、まるで"誰かの殺意"のように感じられた。

「・・・何だ?」

背後。


すかさず振り返り、"直感に従った"が故に、ただちに具現装甲機を起動した。


彼の動作でその"攻撃"を防ぐには、あと"1秒"足りなかった。


それは、『弾丸』。

具現装甲機の装甲がホワイトボディーから変化するよりも前に、その弾丸はホワイトボディーの柔らかい肉体を鋭く抉った。

「ぐッ!!」

ただちにその部分も具現装甲機の装甲に覆われるが、ダメージを受けた部分からの出血は続いた。

「不意打ち、か。してやられたな・・・」


敵性具現装甲機が姿を現した。


「月光が反射するほどに輝くブレード、細身だがバランスのとれた筋肉。双眸のフェイスアーマー。なるほど、お前か。日比谷さんを討ったってヤツ」


レックス同様に、細身の体。しかし、それ以外は全く別の代物だった。

手首から伸びるのは、バレル。螺旋を描いている。

下半身の筋肉量はレックスに劣る分、その具現装甲機は上半身に筋肉が集中していた。


「櫛見憶舞・・・、具現装甲機、『ヴァルカン』。尊敬する先輩のため、今から仇討ちします」


ヴァルカンの両腕が鞭のようにしなった。その反動で、手首から伸びたバレルはさらに伸びた。

腰を落とし、両手首を重ね置いた。両手から伸びるバレルは、縦に2つ並んで落ち着いた。

「勅使河原さんから聞いた。強いんだってな?」

その言葉がレックスに通じているかなど、端からヴァルカンにとってはどうでもよかった。


「残念だけど、俺、日比谷さんよりカナリ強いからな」


…と・・・が入り混じっておりますが、私のポメラの仕様上こうなっております。ご了承ください。m(__)m

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