訓練開始のようです。
誤字脱字ございましたらコメに記入して頂けると嬉しいです。
ルーン逹とお別れをした私はごはんさん(金髪騎士)に抱えられ再びキュグニーさんの部屋に向かった。
「おぉ、この書類で終わるからもうちょっと待ってくれ。」
ごはんさんと私が部屋に入るとキュグニーさんは顔を書類に向けたまま、手だけ挙げる。
書類を整理し終わるとキュグニーさんとごはんさんは私をペット用キャリーバッグに入れた。
◇ ◇ ◇ ◇
ところ替わって宮殿(仮)に来てます。
すれ違うのは真っ白な軍服を纏った騎士さん達やその隣に寄り添う色んなモンスター。
モンスターは普通の動物に+αしたようなやつが多い。
ごくたまに「血液は緑色です」
って感じのもいるけど…。
すれ違う人達にお辞儀をしながらキュグニーさんとごはんさんはズンズン進む。
宮殿(此所らで一番豪華で大きい建物なので多分そう。街を見て回ってる時も何処からでも見えた。)に向かって歩いていたと思ったら、急に方向を変えた。
そして、宮殿の左手にある二回りほど小さい(それでも紅の騎士団の館より全然大きい。)建物に向かい始めた。
(でっか~。何人入るんだろ。)
宮殿(仮)はシャンボール城〔トンガリお屋根がいっぱいの城〕に似た建物で、一瞬山かと思った。
それぐらいデカイんだよ。
きっと日本の城なんか比じゃないね、きっと2倍はあるよ。わかんないけど。
私があれこれ見ては感想を思っている間に目的地に着いたよう。私が入ったバッグを持つキュグニーさんが急に止まったせいでバッグの隙間から頭を出してた私の首が絞まった。
ふふ…後で嫌がらせでもしてやろう、眉毛を半分だけ削ぎおとしてくれるわ!
たどり着いた場所を見るため顔を前に向けるとそこには目がチカチカするような光の反射が半端ない真っ白な扉。
ごはんさんはノックしてからのその大きな扉を開く。
(うはー、凄い豪華だ!シャンデリアついてるよ!)
中は豪華絢爛という言葉がピッタリな内装で白だとか金、銀なんかの色が多く用いられている。
レッドカーペットみたいなのも敷かれてるし。
ながーい廊下には沢山の綺麗な装飾が施された扉がついていた。
キュグニーさんはその中で一番近くにある扉を開ける。
「久しいな。デルタ、レグレス。」
声をかけてきたのは素敵マッチョなおじ様。
威厳バリバリの体育会系教師って感じ。
小者を寄せ付けないオーラを放っております。
此処に来たのは私の訓練についてらしい(調教なんて怖い言葉は絶対につかわんぞ。)。
宮殿(仮)の左手に位置した此処は白の騎士団の仕事場、クレマチスの騎士全てを総轄する騎士団本部らしい。
契約獣についての取り仕切りも行っているよう。
とはいえ、貴族が主体となっている団体なそうなので危険性が高い野生のモンスターの訓練は紅の騎士団に押し付けてるんじゃないかと推測する。
ある程度躾られてから獣殿に送られるらしいし。
(紅の騎士団だって都内なんだから危ないのにな。)
此所が宮殿なら王を出来るだけ危険から守らなきゃいけないから離れた場所で訓練を行いたいのはわかるけどだからと言って、街中はいけないと思う。
紅の騎士団も敷地が広かったけど万が一、逃げ出したりしたら甚大な被害が出るはず。
それだけ騎士団への信頼が高いのか、ただ単に貴族への被害が無いようにするためなのかは知らないけど。
「そいつはそっちで調教して契約者を見つけてくれ。今、紅の方にも契約させる案が出ててな、調度いい機会だ。」
今までの流れそっちのけなシグマさんの突発的な発言にキュグニーさんは口を半開きにして驚きごはんさんも目をぱちくりさせていた。
そんな中、私が考えいたのは「おぉ、やっぱり体育会系な乗りに豪快さ!無精髭が似合いすぎ!」だった。
とにもかくにもシグマさんに「あいつには俺が話しておく。よろしく頼むぞ!」っと追い出され、戻ってきた私達は紅の騎士団、初の契約獣になるかもしれない私の訓練を早速開始した。
「まずは、どれだけ指示を聞けるかだな。」
「そうですね。それでは私は契約出来そうな人を模索してきますね。」
「いや、まだそれはいいから此方「じゃあ行ってきます、頑張って下さいね!」っ!、ちょっ、待て!」
ごはんさんはキュグニーさんを置いて素早い動きで逃げていった。
「はぁ、……………やるか。」
キュグニーさんは恨めしそうにごはんさんの背を見送ると、疲れた顔をしてため息をついた。
『にゃうー、うなー(お疲れさんです)。ポフポフ』
私が慰めるようにその肩を叩くと彼は更に深いため息をついた。
眉毛半分剃りは可哀想になってきたから1/4剃りにしてあげようと思う。
訓練は‘お手’とか‘待て’みたいなものをちゃんと出来るかだった。
普通は教える所から始まるんだろう、キュグニーさんも自分の手に私の前足を置き「お手」と言い聞かせるように言ってきた。
しかし、今は違うが元人間の私にはそのくらいチョロい。
そして、馬鹿にされてる気分になったので‘お手’をした後その手を振り上げてアッパーを食らわせてやったぜ。
その時のキュグニーさんの顔は見物だった。
そんなこんなで超簡単な初日の訓練を終えた私はキュグニーさんの部屋らしき場所のベッドを占領してねた。
(○月×日、今日は忙しい1日だった。訓練の後、キュグニーさんとごはんさんはリアル鬼ごっこをしていた(キュグニーさんの顔は般若のようだった)。そういえば夕飯を食べていない、お腹が空いた、キュグニーさんの夜食のサンドイッチモドキを失敬しようと思う。明日の朝食が楽しみだ。おやすみ。)
ご覧下さりありがとうございました。
15日ぶりの更新ということで大変遅くなってしまい、申し訳ありません。
しばらくはこれくらいの早さでの更新となりそうですが何卒ご容赦下さい。