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二章~過ち~
少年の体に血が滲んだ...ナイフは内臓に達する。器官をも壊す『凶器』、死と生の瀬戸際、空間が歪み始めた、少女はそれを悟っていた。
空間の歪みは、並みの人間には到底達する事ができない未知である。少年の目は虚ろ状態に陥った...失い続けた少女にもう何も残されてはいなかった。暫くして少年は死体となった
死にゆく人の必然。死体は少女によって、燃やされた。守ってくれた慈悲なのか礼の言葉を残しその場を立ち去った。自らの命を自ら落とす行為...これは過ちとしか取れない。自殺と言うのは「死」の最終地点に歯止めをかける行為、少女はまだ幼い、この重みは分からない年、だが人間だとしたら空間の歪みで分かって欲しい..少女は自首した。保護施設に連れていかれ、何もかも失い、街のどこかで眠っている。空から聴こえる「この街はもう眠ったの?」少女は答えない、しかし空に向かって言った。「有難う」
空からの声は少年だったのか、母だったのか未だに分かっていない...。




