幕間③ 王女様世界を知る
世界観説明回です。読まなくてもなんとかなります。
件名:Re: 至急:この世界と周辺国家の情勢について
差出人:サポートセンター統合アプリ
サポートセンターをご利用いただきありがとうございます。
お問い合わせ内容を確認いたしました。
※本回答は「一般向け概要」を含みます。状況により例外があります。
1) 東方大国:ノルド帝国(通称:帝国)
体制:強い中央集権、皇帝権力が極めて大きい。
皇帝が最終決裁。貴族は存在するが、基本的に「皇帝の行政機構」に組み込まれている。
軍は常備軍中心。命令系統が一本で、動くときは速い。
外交方針は「国境線の安全」よりも「影響圏の拡大」を好む傾向。
アルトフェンを見る目:回廊(通路)そのもの。
大山脈の南端の要衝、港と陸路の要。
“落とす”よりも、内側に窓口を作って握るのが帝国の定石。
具体的には「保護」「治安維持」「演習」「共同警備」などの名目で既成事実を積み上げる。
注意点:帝国は表で「知らない」を言えても、裏で動ける
表向き関与を否定しつつ、商会・傭兵・密偵を使い「民意」「諸侯」を揺らす。
2) 西方大国:リュミエール連邦(通称:連邦)
体制:4つの国家を主体とする連邦国家(合議制)
主体4国がそれぞれ利害を持ち、対外方針は統一されているようで、内部調整に時間がかかる。
ただし「合意が取れた瞬間」は資金・人材・外交圧力が一斉に出る。
アルトフェンを見る目:権益・資産の防衛線。
港湾・交易路・両替商・関税制度など、経済面での関与が深い。
連邦の介入は「軍事」より先に金融・契約・保険・護衛で入ってくる。
注意点:連邦は“善意の顔”が強い
「保護」「支援」「安全保障」を掲げるが、実態は影響圏確保。
アルトフェン側が断るほど、正当性を作る動きに変わる(難民、治安悪化、海賊対策など)。
3) 南の海:瑞穂皇国(アヅチ幕府)
体制:幕府中心の政権、皇王は権威はあるが、力がない/海洋国家、交易志向が極めて強い。
幕府が中央を握りつつ、商人と港を重視。
海軍が強く、船団護衛・通商路確保が国家利益の中心。
騎士ではなく侍とよばれる魔法剣士が軍の主力。
米・味噌・醤油など独自の食文化があり、交易品としての需要が大きい。
アルトフェンを見る目:大陸への窓口。
島国は大陸と直接ぶつからずに利益を取りたい。
アルトフェンが荒れる=交易路が死ぬ。よって「安定していてほしい」。
注意点:幕府は基本中立商売人だが、損が出ると牙を剥く
交易停止・港封鎖の気配が出ると、護衛名目で海に出る。
ただし「占領」より「通商権の確保」が主眼。
4) ご相談者の国家:アルトフェン王国
体制:緩い連合制(地方貴族の連合)/王家はまとめ役。
中央集権が未成熟で、諸侯の自立性が高い。
王国府(官僚・関税・港湾管理)が国家の背骨。
地理が国家の最大資産:山脈南端・陸路の大動脈・港湾の結節点。
強み:経済と地理、そして“燃える理由”を持っていること
ここを武力で奪えば、帝国と連邦が正面衝突する可能性が高い。
だからこそ、両国とも表立っては踏み込みにくい。
弱み:内側が割れやすい。
諸侯が力を持ち、内通の窓口が作られやすい。
王家が弱った瞬間(継承・内乱)に、外が支援で入りやすい。
現時点の最優先は「国内の割れ」を抑え、外に介入の口実を渡さないことです。
外交は、帝国・連邦どちらにも「相手を疑わせる」形で情報を投げると、動きが鈍ります。
幕府は、交易の安定が最大利益です。港の安全を見せることが最優先となります。
軍事技術水準
文明段階:17世紀前半相当(銃の普及初期)
騎士・重装歩兵がまだ主力だが、銃の運用が戦場の前提条件になり始めている。
「騎士の時代が終わりつつあるが、完全には終わっていない」過渡期。
魔法という異物が存在するため、技術進化は地域ごとに歪みがある。
兵種構成(一般)
・歩兵
槍兵・盾兵・剣兵が主流。
集団運用・陣形重視。
銃兵と混成で使われることが多い。
・ 銃兵
マスケット銃が主流。
装填が遅く、精度は低い。
ただし集団射撃は騎士に対して決定的な抑止力。
※稀に銃弾を切る者もいる。
騎士は「無敵」ではなくなったが、訓練された重騎兵は依然として戦力。
大砲・火砲
試作品・実験段階。
運搬・装填・照準が困難。
実戦投入は限定的(攻城兵器としても未成熟)
・実戦で普及しない理由
儀式魔法による面制圧・城壁破壊が可能。
魔法の方が即効性が高く、柔軟。
結果として
「大砲いらなくね?」という評価が広がる。
魔法戦力
・個人魔法使い
高威力・高柔軟性。
暗殺・索敵・防御・通信など用途が広い。
しかし育成コストが極めて高い。
・ 儀式魔法(集団)
魔法使いが複数で行う大規模魔法。
城壁破壊、広範囲殲滅が可能。
大砲に匹敵、あるいは凌駕する威力。
・ 最大の問題点
魔法使いは補充が効かない。
教育・才能・時間・資源が必要。
戦死=即戦力の恒久的損失
魔術師団は
「虎の子」「国家資産」「消耗品ではない」
※例外として幕府の「侍」がある。
白兵戦、魔法、弓を高い練度で扱う。
国家別特徴
■ 帝国
常備軍が多く、動員が早い。
騎兵・歩兵・銃兵のバランス型。
魔術師団を持つが、数は少数精鋭。
■ 連邦
国家ごとの差が大きい。
金で兵を集めるのが得意。
■ 島国(幕府)
銃技術が最先端。
数・品質ともに大陸を上回る。
銃兵運用の体系化が進んでいる。
海軍・船団護衛と組み合わせた戦術が強力。
以上となります。
引き続きサポートセンター統合アプリをご利用ください。
クロエは完全に手が止まっていた。
(…ちょっと待て)
(幕府)
(米、味噌、醤油)
脳内で単語が三連コンボを決めた瞬間、理性が一歩後退した。
(ある…)
(この世界、ある!)
(米がある!)
(味噌がある!!)
(醤油がある!!!)
赤ん坊のはずの身体が、意味もなくもぞもぞ動く。
侍女から見れば「ご機嫌な王女殿下」だが、中身は完全に日本人の魂がガッツポーズしていた。
(勝った)
(文明レベルとか魔法とか以前に勝った)
(最悪、異世界でも白飯と味噌汁があれば生きていける)
(いや、生き残る理由ができた)
島国・幕府。
交易大好き海洋国家。
大陸への窓口。
(そりゃ仲良くするわ)
(そりゃ安定してほしいわ)
(そりゃアルトフェン荒れたら困るわ)
クロエは理解した。
これは外交ではない。
胃袋同盟だ。
(この国の外交カード、実は軍事でも魔法でもなくて)
(ご飯だな)
危うく笑いそうになって、慌てて真顔に戻る。
侍女に不審がられたら困る。
(米・味噌・醤油)
(やっぱここ、最重要だわ)
クロエは、満足そうに息を吐いた。
続きが気になる方は、ブクマお願いします!
また、少しでも面白いと感じた方は評価お願いします!




