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5.聖杯戦争を書きたいんじゃー(後)

 さて、前回は聖杯戦争を書きたいなら聖杯戦争を意識しちゃいけないという内容でしたが。


 じゃあ結局どうするんだ。

 というお話なんですよね。


 ここで1つ例を出しましょう。

 ヘルシングで有名な平野耕太先生は、ヒラコー版聖杯戦争というコンセプトで『ドリフターズ』を作成したというらしいです。

 ※ドリフターズといってもお笑いの方ではないです。妖怪首おいてけの方です。

 簡単に説明すると、過去の英雄たちが異世界に転移して、そこで2つの陣営に分かれてバトルするというアクション漫画です。


 これは確かに聖杯戦争でありながら聖杯戦争ではない、ヒラコー版の新しい漫画というもので、アニメ化もして自分は大好きな作品です(新刊いつでるのかのぅ…)。

 つまり聖杯戦争という、バトルロイヤルの仕組みはなくとも英雄VS英雄という構図を残してヒラコー版聖杯戦争にしたというわけですね。


 じゃあ結局、聖杯戦争をしたいといっても自分は何がしたいのか、というのを改めて見てみようと。


・過去の英雄を出したい

・英雄たちのバトルをしたい

・時代の違う英雄たちで掛け合いしたい


 英雄を調べるうちに、三國志と戦国時代にドはまりした自分としてはこれらが多分やりたいことなんだと結論づけました。


 そこでじゃあ自分がやるならどうするかというので考えて、1つ思いついたのが『ドリフターズ』の内容をもうちょっと違う角度から考えられないか。ということ。


 そこから色々考えました。


 そしてあるゲームから1つの結論を得ました。


 某歴史戦略シミュレーションゲームが自分は大好きでずっとやってるんですが、それのプレイ方法は、史実の年表通りにイベントを起こして天下統一するシナリオではなく、


『生年関係なく、全部の武将が揃ってゴッタミックス状態のシナリオ』


 をひたすらプレイしてきました。


 だって、鄧艾(とうがい)使いたいのに末期すぎて遊びづらいし、呂布も速攻いなくなるし、島津四兄弟使いたくても肝心な四男がすぐ寿命来るし。あとだいたい曹操と信長が強くなるからワンパターンになりがち。

 だったら年齢も寿命も関係ない。最強と最強がぶつかり合う狂乱の戦場に、さらにオリジナルで白起や項羽、岳飛ら大陸の猛者、新選組に幕府軍、薩長土の新政府軍も入れ込んで誰が勝つか分からないようにした方が面白い。

 という理由です。


 そう、そこで気づきました。


 あ、これやればいいんじゃね。

 そうすればさっきの“自分がやりたいこと”が入れ込めるんじゃあないかと。


 というところでできたのが、


『軍神ちゃんで軍師ちゃん ー転生して最強スキルを手に入れたと思ったら寿命が1年しかないので急いで天下統一を目指しますー』

 という物語でした。


 これは異世界転生した主人公が、英雄が乱れる群雄割拠の乱世を全国統一するというお話になるんですが。


 ぶっちゃけていいます。

 主人公といってますが、書きたいのはそこではないんですね。


 英雄たちのバトルを書きたいから、その監視役としてそうした以外の何もでもないと思ってます。


 英雄と英雄がぶつかり合う。

 そして関係する英雄同士の掛け合い。


 という自分が聖杯戦争として書きたかったものになったんだと思っています。


 やった。夢が叶った!こんなにうれしいことはない。ハッピーうれピーよろピくねー。


 という感じで1つの念願を公開できたわけです。それが面白いか面白くないか、受け入れられているか受け入れられていないかは一旦置いておきましょう。泣いちゃいますから。自分が。


 そう。そこまでは良かったんです。


 ただここで問題が1点。



 ――英雄って、簡単に倒しちゃダメじゃね?



 たとえば三国志の呂布奉先(りょふほうせん)

 三国志で誰が最強と言われて真っ先に上がるのが彼の名です。歴史シミュレーションゲームでは、だいたい武力MAX100オーバーの化け物。


 これがこの中に敵として登場したとして、どうやって倒す?というお話。


 これがたとえば雑兵とはいかないまでも、主人公やその取り巻きに一騎討ちで呆気なく倒されたら。


『はぁ!? 呂布がそんな弱いわけねーだろ!!』


 と絶対お叱りを受ける内容になること間違いないと思います。


 去年にブームを起こした某ロボットアニメにて、過去の強敵(さんれんせい)をぽっと出の(後でその正体上仕方ないとなりましたが)キャラに一方的に倒されてファンが激怒して炎上したというのは記憶に新しいと思います。


 ここで立ち返ると、Fateにせよドリフターズにせよ、英雄を倒すのはだいたい英雄です。(一部例外アリ)

 英雄として互角な相手だから、力不足でも知恵や魔術で補って倒す。だからこそ説得力がもたらされると思います。呂布を倒したのが同じ武力チートの項羽とかならまだ説得力があります。

 別の例として英雄と神が戦う『終末のワルキューレ』は最強の英雄だから神を殺し、神だから英雄を殺すという納得感を出しているのもあります。


 主人公はスキルを持っているものの、ただの子供。

 それがいきなり呂布を倒しておれつえー最強じゃん無双、みたいなことをしてしまえば。作者のオ〇ニーだと大バッシングになるだろうなと。


 じゃあ他の英雄が出るんだし、そちらにたおさせりゃいいじゃん。

 となるんですが、そうなると主人公の影は薄くなる。


 ふたたびここで行き詰まり(デッドロック)状態になりました。

 ただ気づいた時にはもう遅い。


 もうなんでこんな感じにしたかなぁ。

 それをなんとか主人公を立たせつつ、かといってファンにブチギレられない程度の戦いで倒されるという感じにもっていくのに日々四苦八苦の連続になっています。なっているかな。なっているといいな。なってるんだったら。




 とまぁ、長々と色々くっちゃべっていましたが。


 まとめとして今回は、


『自分はこんな風にして聖杯戦争っぽいものを書いたんだぜ、すげーだろ』


 という話ではなく、


『聖杯戦争とかに憧れて英雄同士の戦いとか書きたい人がいるかもしれないけど。そこらへんはしっかりケアしないと自分みたいにひどい目に遭うぞ』


 という後悔を公開して皆さまの役に立たせていこうかい。という内容でした。


 以上。だらだらとお付き合いいただきありがとうございました。

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