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傷の形
蒼は、蓮の隣にいる時間が少しずつ増えていった。
教室では話せない。でも図書室では、ぽつり、ぽつりと言葉が漏れるようになった。
「小学生のころから、変だったんだ。俺。ちょっと声が高いとか、手の動きが女っぽいとか。……それだけで、気持ち悪いって言われた」
蓮は、黙って聞いていた。
「何で俺はこんななんだろうって、ずっと思ってた。俺がおかしいんだって。でも……」
「……でも?」
「蓮といると、少しだけ楽なんだ。たぶん、壊れてる種類が似てるからかな」
蓮は息を呑んだ。
自分の中のなにかが、ずっと閉じていたなにかが、わずかに軋んで音を立てた。




