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裏山

作者: 尚文産商堂
掲載日:2025/01/20

山間部に居を構えているのは、ここの風景が好きだったから。

だがそれだけではない。

今住んでいるこの山は全部が俺のモノだからだ。

文字通り、ちゃんと登記も済ませているわけで、俺が持っている山ということになる。


憧れといってしまえばそれまでだが、ずっと都心に住んでいた俺にとって、山というのは見たことがない世界だった。

おかげで夢は広がっていき、ついには山を買いたいというところまで至った。

人口減少世界となっている今、土地を買うというのはそこまで苦労があるわけではない。

それに、仕事だって感染症対策とかでほぼ出社しなくてもいいようになっていた。

そこを重ね合わせて、一人で暮らすぐらいならば十分な資金をため込めると、あっという間に山を買う方向へかじを取る。


かいたいところはいくつか候補は決めていた。

そういう専門の不動産会社があるというのも驚きだったが、おかげで話はスムーズだ。

あっという間に売買契約は締結となり、俺は山を、不動産会社は金を得た。


文字通り一軒家で、周り10キロメートル四方にあるものといえばここに至るまでの道と電柱、それと自然ぐらいなものだ。

それでも昔に夢見ていた風景を手に入れた。

そう考えると感動もひとしおだ。

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