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第14話 思惑


「この度はご婚約おめでとうございます!」


長々しい話が終わり会場は拍手に包まれた。

もうすぐでこの宴も終わるだろうか。

望んでもいない相手との婚約をこんなに盛大に祝われても、嬉しくない。そう思い椅子に深く腰掛けた。


「聖女様がご到着されました」


しばらくしてから使用人から伝達が来た。

僕の想っている人ではないかもしれないが、可能性があるのなら、そうしない手は無いと思い、ダメ元で国の聖女様に招待状を送ったのだ。まさか本当に来るとは。


「スレン様、聖女様をご招待されたのです?」


急にリトリシエに声をかけられてどきりとした。そういえば伝えていなかったな.......。

そう思い彼女の方に顔を向けた時、急に手を、握られた。自然と彼女の思考が僕の頭に入ってくる。


(わたくしの『魅了』が全く効かないなんて.....。触れればさすがに効くかしら?そろそろ洗脳出来ないと困るわ。まぁ最悪、私がクラウシアと入れ替わればいい話だわ)


僕はゾッとし、手を振り払った。なんだ、今のは。

魅了?入れ替わる?何を言っているのか分からない。

ただ、分かったのは彼女が何かしらの能力を持ち、周りのものをほぼ洗脳状態にしている、ということだ。


「あ、あの!!」


不意に声をかけられ、現実に引き戻される。

僕に声をかけてきたのは、桃色の髪をした女性だった。


「聖女クラウシア様.....」


僕は呟く


「はっ、はい!!」


この声、本当に彼女なのだと僕の中で確信した。


「このような宴に足を運んでくださりありがとうございます。とても嬉しく思います。貴方様のような、心優しく美しい方にお祝いいただけないかとご招待させていただきました。」


冷静を装い挨拶をしたが、緊張のあまり冷たい言い方になってしまっただろうか。だがこうして数年ぶりに会ったが、やはり僕の心は変わっていないなと思った。


「わたくしの方からも、ありがとうございます。本日の宴、楽しんでくださいね。」


横からリトリシエの淡々とした声が聞こえた。だがそんなのどうでもよかった。ただ、僕の目の前に長年想い続けた彼女がいる。

その事実だけで他のことなんて気にする必要もなかった。


読んで頂きありがとうございます!

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