表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

5 キスしてください。

 キスしてください。


 お母さん、聞いて聞いて。あのね。

 どうしたんですか?

 お母さん。私のお話も聞いて、あのね。

 双子のきずなといのりがお母さん猫に甘えている。

 お母さんは双子の子猫の相手をしながら、忙しそうに動いている。

 きずなといのりは本当に甘えんぼうだね。

 お母さん。キスして。

 お母さん。お母さん。私にもキスして。

 双子の子猫はキスをねだる。

 お母さんは双子の子猫にキスをする。

 すると双子の子猫たちは嬉しそうに笑った。


 きらら。こっちにいらっしゃい。キスしてあげるわ。

 ふふっと笑ってきずなはいう。

 きらら。逃げてはだめよ。いらっしゃい。早く。早く。

 逃げようとしたきららの逃げ道を塞いでからいのりが言う。

 きずなお姉様。いのりお姉様。私はキスは大丈夫ですわ。

 逃げ出しながらきららはいう。

 でも捕まってしまった。

 きららは双子のお姉様たちにキスをされてしまう。

 それも何回も、何回も。

 双子のお姉様たちは楽しくて仕方がないという顔をしている。

 きずなお姉様。いのりお姉様。やめてください。

 きららはいう。

 でもやめてはくれなかった。

 きららはあきらめて双子のお姉様たちの好きにされることにする。

 そう思わせたところできららは隙を見て双子のお姉様たちから逃げ出した。

 あ、こら。待ちなさい。きらら。

 私たちから逃げられると思っているですか? 待ちなさい。

 きずなといのりはきららを追いかける。

 三匹の子猫たちはダンボールの家の中でばたばたと暴れている。

 あかりお姉様。助けてください。

 きららはあかりの後ろに隠れる。

 あかり。きららをこっちに渡しなさい。

 そうよ。あかり。あなたばかりきららの相手をしてずるいわ。たまにはこっちによこしなさい。

 あかりは双子のお姉様たちを見て、ごめんなさい。お姉様。きららを渡すわけにはいきません。

 そう言ってあかりはきららと一緒に双子のお姉様たちから逃げ出した。

 二匹の子猫はダンボールの家から飛び出るといつもの抜け道を走り始める。

 あかり。お姉様。ありがとうございます。きららはいう。

 きらら。私はいつでもあなたの味方です。きららを見てあかりはいう。

 二匹の子猫は屋根の上で足を止めて寄り添い合う。

 その姿は姉妹というよりもどこかお母さんと娘のように見える。

 あかりお姉様。キスしてください。

 きららは言う。

 そんな甘えた声のきららの頬にあかりはそっと優しくキスをした。


 聖なるもの 終わり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ