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大きな湖の女神に会いに行くポンコツ王子

作者: 眠った犬

「あ!!いた!!女神様〜!」


「ポンコツ王子!?」

王宮から転移魔法で森の奥の大きな湖に移動したワンワン王国一番のポンコツと有名なラファエル王子が、湖の女神に抱きつく。

「ちょっとポンコツ王子!!突然現れないで!!」

「あ、ごめんなさい」

ラファエルは素直に謝ると、女神の隣に座る。

「……それで?何しに来たの?」

「はい!!女神様、キスをねだりにきました!!」

「え?キス?」

「はい!!キスです」

「なんで?」

「だって、この前女神様、『また今度ね』って言ったじゃないですか。だから、また今度っていつなのかなぁ?って思って。だから、とりあえず、今日キスをしに来ました!!」

ラファエルは笑顔で言うが、女神は呆れた顔でため息を吐く。

「……ポンコツ王子」

「なんですか?女神様」

「あのね……私は神よ?」

「はい」

「そんな存在に、キスをねだるなんて、本当にバカね」

「だめなんですか?」

「当たり前でしょ?」

「そうですか……残念」ラファエルはガックリと肩を落とす。

「……ポンコツ王子」

「なんですか?」

「……キスしてあげるわ」

「え!?」ラファエルが嬉しそうに顔を上げる。

そんなラファエルを見て、女神が頰を染める。

「ど、どうせ暇だし!!いいわよ!!」

「女神様!!ありがとう!」

ラファエルが嬉しそうに笑うと、女神の腰に手を回した。

「っ!?ポンコツ王子、近い!!」

「え?近づかないとキスできませんよ?」

「そ、そうだけど」

「ならいいじゃないですか」

「……」女神は諦めたように目を瞑った。ラファエルはそんな女神の唇にキスをする。


そして、2人は口を離すと、見つめ合う。

「……女神様」

「……なによ」

「もう一回いいですか?」

「……好きにすれば?」

ラファエルは嬉しそうに笑うと、再び女神にキスをした。

その後、何度もキスを繰り返した2人は満足すると、湖のほとりに座って話をした。

「ところでポンコツ王子」

「なんですか?」

「あなた、この森で何してるの?」

「女神様に会いに来たんです」

「……他には?」

「ないです」

「は!?」女神はラファエルの言葉に驚く。

「え?それだけですが?女神様に会いに来るのに理由なんていりませんよね?」

「……ポンコツ王子って本当にバカね」

女神が呆れたようにため息を吐く。

レイはそんな女神をニコニコしながら見つめる。

そんなラファエルを見て、女神がまたため息を吐いた。

「ポンコツ王子」

「なんですか?女神様」

「あなた、本当に変わってないわね」

「…変わりましたよ。女神様を見るとムラムラしますし」

「最低ね」

「でも、こんな僕も好きですよね?」

「……どうかしらね」

女神はそっぽを向いて答える。

ラファエルはそんな女神を抱き上げて膝に座らせると、後ろから抱きしめた。

「ちょっと……」

「女神様、好き」

「……知ってるわ」

ラファエルは女神の髪に顔を埋める。そして、そのまま深呼吸すると、女神の匂いに酔ったように思考がふわふわとしてきた。

そんなラファエルを見て、女神が微笑む。

「ふふ……ポンコツ王子?どうしたの?」

「……え?あ、最近気づいたんです。僕ってなぜかものすっごくモテることに」

「そうね。あなたは前世も今もモテモテね」

「前世?」

「なんでもないわ」

女神はそう言うと、ラファエルにキスをする。

「女神様?」

「なに?」

「僕たちって前世で恋人だったりしますか?」「いいえ。あなたと私はただの兄妹だったわよ」

「ふーん……こんな綺麗な妹がいたら過保護になっちゃいますね」

「そうね。でも、私はそんなあなたのことが大嫌いだったわ」

「えー?まあ、たしかに僕のことだから『お兄ちゃん以外の男と口を聞いちゃいけません!』とか『君は、お兄ちゃんの言うことだけ聞いていればいい!』とか言ってそうだし、しょうがないかも?」

「……」

ラファエルの言葉を聞いた瞬間、女神の表情が変わった。

「女神様?」

「お兄ちゃんか……」

「え?女神様?」

突然様子が変わった女神に、ラファエルが首を傾げる。

「お兄ちゃん……」

女神はラファエルの胸に顔を埋めた。

「お兄ちゃん……お兄ちゃん……お兄ちゃん……」

「女神様?どうしたの?」

「お兄ちゃん……」

女神はラファエルに甘えるように、抱きついた。

そんな女神をラファエルが抱きしめる。

「女神様、しばらくこうしてましょうか?」「……うん」


女神はラファエルにしがみつくように、抱きついている。

「お兄ちゃん……」

女神はラファエルの胸に顔をスリスリさせている。

ラファエルはそんな女神の頭を撫でた。

すると、女神がラファエルを見つめて言った。

「お兄ちゃん…」

「女神様が人間だった時はなんて名前だったんですか?」

「……」

「女神様?」

「私は……私の名前は『リリア』」女神は小さな声で答える。

「……リリア?」

「……そう」

「へぇ……僕の可愛い妹の名前はリリアはだったのか」

「っ!?」

ラファエルの言葉に、女神が目を見開く。

「どうして……」

「え?」

「……なんでもないわ」

女神はそう言うと、ラファエルに抱きついた。

そんな女神をラファエルは抱きしめると、優しく頭を撫でた。

「女神様、そろそろ帰るね」

「……うん」

「また来ますね?」

「……うん」

「じゃあ、また今度!」

ラファエルはそう言うと転移魔法で姿を消した。

残されたのは悪霊の女ただ一人。

「お兄ちゃん……」

悪霊はそう呟くと、湖の中に姿を消した。


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