番外編短編・鈴宮米子の独り言
私はライトノベルを書いていた。イラストも描ける。自分で言うのもなんだが、天才だと思う。
子供の頃から絵が上手で嫉妬される事も多かった。特に同級生の山岡優一という男には、嫉妬され、いじめられて続けた。
いや、本当に男の嫉妬ってめちゃくちゃ陰湿でキモいよ。特に自分が優秀だと昂っている男は怖いよねぇ。
いつか山岡には復讐したいと思っていたが、なかなかその手段はなかった。私もラノベ作家として年収をかなり頂いてしまったし、成功してる。今もクソみたいな男に粘着されて、誹謗中傷されいるが、スルーしていた。
よく女の方が陰湿というケースも多いと聞くが、私はそうは思わない。性別ではなく、陰湿さは人によるのでは。特に自分はすごいと昂っている人は、陰湿な傾向にあると思う。そこに男女差は無いように思えた。
また、日本人は全体的に妬みの感情が強い。ネットを見ても、嫉妬コメントが多い。出る杭は打つ精神のものがとても多い。私もこれで、苦労したが、打たれれば打たれるほど、燃えるタイプでもあった。だんだんとアンチがいる事も慣れてきたし、スルースキルもついてきた。
ただ、逆にファンの方が面倒くさいんだよ。
私が作ったキャラクター・ミントちゃんについて、嫁にしたいというファンレターを沢山いただく。
大変嬉しいのだが、ミントちゃんの親は私だ。たった数枚の手紙だけで、許可を貰おうとしないで欲しいね。結婚したければ、ちゃんと親である私に許可を取るのが、大人としての常識ではないかい?
それにミントちゃんに合意ってどうなってるのかい。ミントちゃんは単体で異様に人気が出てしまったとはいえ、一応私の作品のヒーローがお相手役なんだが。
私は作者としてミントちゃんを親のように可愛がっているよ。それこそ目に入れても痛くないのだ。創作者なら、この気持ちは理解してくれるだろうが、ファンはわかってくれない。
「とりあえず、結婚したければ、親の許可もらえ!」
今日も、ミントちゃんと結婚したいというファンのメッセージが届くが、そうしたければ、きちんと手順踏んでね。
まず、ミントちゃんの合意も得てね。これが結婚の第一歩だと思うんだが、私が間違っているのだろうか。
とりあえず、可愛い娘であるミントちゃんは、どんな男にも嫁に出したくないね。親の許可を貰うのは、けっこう大変なようだね。