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転生特典はテセウスの船⁉︎  作者: キャシー
2/7

2稿目

「タマル、起きなさい!朝ご飯が冷めますよ。」


聞きなれない母親の声が自分を起こす。

生前の名前は渡辺 (ヒロシ)であったのに、今朝からはタマル・アガードという名前になったようだ。


転生時に、タマル・アガードの記憶が、まるで映画でも観るかのように頭に流れてきたので、最低限の知識はある。


この世界は、転生ものでよくある、剣と魔法の世界のようだ。

前世でも、たまの息抜きには漫画喫茶に行く事が好きだったため、この手の知識はある程度ある。


とはいえ、タマル・アガードが剣や魔法を使えるのかというと、現状はそうではない。

タマルの家は平民の家系であり、魔法が使えるのは貴族階級が多い。

というのも、魔法は遺伝でのみ継承され、身体に魔力が宿るためには、親も魔力が宿る身体でなければならない。

身体、というか、心臓の造りに、魔力生成の機構が備わるらしい。


そして、希少な魔力持ちは、そのまま国力となるため、貴族階級となる仕組みである。


剣についても同様で、軍事力である戦闘職は、冒険者以外は生産性が無いため、国力として国からの手当てで生活をしている。

よって、貴族階級が与えられ、手当てを受け取れる家系でしか、戦闘職としての教育は受けれないわけだ。


もちろん、先に触れた冒険者という道もある。


剣と魔法のファンタジー世界のため、モンスターが存在し、それらによる被害が一定数出ているからだ。


基本は貴族の戦闘家系が、国からの命令で対応するのだが、国の対応に漏れるモンスター被害が存在する。

それらに対応すべく、平民間で討伐依頼を出し、腕に覚えのあるものがその依頼を受ける。

冒険者とギルドである。


冒険者は、基本我流で武器を振るうか、貴族と仲良くなり多少手ほどきを受けた物がほとんどであり、魔法使いなどはほとんどいない。

貴族以外の魔法使いは、ほとんどが貴族の外嫡子であり、隠される事実であるからだ。

そして、冒険者は常に死と隣り合わせで、日銭も安定しない。

農家の平民が安全な生活を捨ててまでなりたい職業では無かった。


話はそれたが、平民のタマルには、剣も魔法も疎遠な物であった。


そんな10歳までのタマルの記憶を観て、現代日本を生きてきた自分は、やはり安全な生活を求めるのである。

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