前へ目次 次へ 24/48 《プロローグ》・散文 * * * 彼は、わたしを上に行かせることが出来た。 彼は、わたしの代わりに怨霊を倒すことができた。 でも、彼はそうしなかった。 わたしを、行かせてくれた。 わたしに、先に行くための術を教えてくれた。 彼は、わたしの行動を許してくれた。 彼は、わたしを助けてくれた。 彼は、咎めることも、諌めることもしなかった。 彼は、ただ朗らかに笑い、茨だらけの道の入り口を開いてくれた。 彼は、そんな人。 彼は、きっとそんな人だったと思う。 * * *