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番外編 2

「ああ、そうでした!」


 アリスは「パン」と手を叩いた。


「以前から打診のあった『キレーナレイク』の魔物の件です」


「……どういう意味、ですか?」


 ファナは目を細めた。


「討伐のお手伝いをさせてください」


 アリスが事も無げに言った。


「…失礼ですが、いくら『姫騎士ソードプリンセス』の異名を持つアリスさまがいらしたとて、たった二人では…」


「6家の者にはいずれ話そうと思っていましたが、ショウは『聖騎士』なのです」


「せ、聖騎士…?まさか……」


 ファナは絶句した。


「はい…、禁忌を犯しました…」


「い、いえ、責めてはおりません。必要な状況だと理解しております」


 顔を伏せるアリスにファナは慌てて取り繕った。


「ただ…」


「何か、ありましたか?」


 ファナが言いにくそうにしているので、アリスが促した。


「つい昨日のことで報告はまだなのですが、討伐が完了したのです」


「ほ、本当ですか?」


「以前は全く歯が立たなかったと聞いていたが?」


 ショウが訝しそうな目を向けた。


「もちろんそうでしたが、援軍の期待も望めなかったので、何度も試行錯誤して、傾向と対策を練り、このほどやっと念願が叶ったのです」


「そ、そうなのですね」


 アリスがあからさまにションボリした。


「あ、あの、マズかったでしょうか?」


 ファナは困惑した。


「あ、いえ!リース領のことを考えれば、大変喜ばしいことです!……なのですけど…」


「けど?」


「ショウは転生時は剣の素人でしたので、この二日間、私が稽古をつけていました。ですが既に追いつかれてしまい、私では教えることがなくなってしまったのです」


「たった二日で、姫さまに?」


「はい!」


 不思議とアリスは自慢げで嬉しそうだった。


「だから俺が、実戦を経験したいと頼んだんだ」


「ここの魔物は追撃してこないと聞いていたので、万が一のときでも逃げ切れると思って…」


 アリスの残念そうな顔にファナは苦笑いした。


「それは、申し訳ないことをしてしまいましたね」


「あ、いえ!決してそういう訳では…」


 アリスがあたふたした。


「当主殿、あまりアリスをイジメないでくれ」


 ショウがアリスの横に立ち、アリスの頭をポンと叩いた。それに伴い、アリスの顔が耳まで真っ赤になった。


 おやおや。ファナはニヤニヤしながらふたりを眺めていた。


「俺から一つ聞きたいことがあるんだが、構わないか?」


「ああ、私で分かることなら」


 ファナは頷いた。


「火竜のことについてだ」


「火竜…?」


「ああ、行方とか噂とか何でもいい。情報があったら教えてほしい」

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