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「シルフ!」


「はいよ、サトコ」


 サトコが鋭い声をかけると、シルフはサトコの右肩からフワリと舞い上がる。それから両手を広げて空中でクルッと一回りすると、ルーの足下から螺旋状に風が吹き上がった。


「手伝ったげるね、ルー」


 螺旋状の風と呼応するように、ルーの身体から淡い光がユラユラと立ち昇る。


「これは…スゴい魔力ちからです」


 ルーが一瞬惚けるが、すぐに「ハッ」としたように我に返った。


「皆さん、コッチに集まってください!」


 ルーの言葉に従ってボクたちは一ヶ所に集まった。


暴嵐の鳥籠(ギルバートケージ)


 直ぐさまルーが魔法を唱えると、ボクらを中心に竜巻が発生した。「嵐竜壁」に似てるけど、風の勢いが強すぎて向こうの景色がボヤけてしまっている。


「これで少しは時間が稼げるハズです」


「た、助かったよ、ルー」


 ハルカが半泣きでルーに抱きついた。そんなハルカの頭を、ルーが優しく撫でる。


「よく頑張りましたね、ハルカさん。あとは任せてください」


「へー、結構スゴい魔法だね。僕、初めて見たよ」


 竜巻の外からカズヤの驚いた声が聞こえた。


「でもこんな魔法、いつまでも続かないよね?」


「その通りです」


 カズヤの憶測に、ルーがボクらにだけ聞こえるように囁いた。


「どうやら精霊魔法というのは、勇者以外には扱いきれるモノではないようです」


 ルーの額には、既に玉の汗が滲んでいる。いわゆる魔力の消費が激しいのかもしれない。


「出来れば一気に決めたいのですが、サトコさんなら竜鬼兵の位置が掴めますか?」


 しかしサトコは、残念そうに「ううん」と首を横に振った。


「体温がない相手は分からないみたい」


「そうですか、分かりました」


 サトコの返事にルーはゆっくり頷いた。


「少し気は引けますが、部屋一杯に魔法を押し広げます。カズヤくんが身の危険を感じれば、竜鬼兵を呼び戻すハズです」


「そんな事をして、ルーさんの体は本当に大丈夫なのですか?」


 アリスが心配そうに尋ねた。


「正直一発勝負です、やり直しは出来ません」


 ルーはアリスにニッコリ笑って頷くと、ボクとショウの方に顔を向けた。


「相手はミスリルゴーレムです。恐らく対抗出来るのは、ケータお兄ちゃんとショウさんの武器だけだと思います」


「ボクのは同じミスリルだけど、大丈夫か?」


「相手はミスリルと言っても動くのが前提のゴーレムです。純粋な塊のトライメテオの方が、単純に強度が高いハズです」


「なるほど」


 思わず納得した。ルーってホント賢いな。


「待ってください!それには問題があります。皆さんはゴーレムの倒し方をご存知ですか?」


 そのときアリスが、ルーの話を遮って全員の顔を見回した。ゴーレムの倒し方?何か特別な倒し方でもあるんだろうか。


「どういう意味だ?」


 ショウの質問に、アリスが蒼い顔で答える。


「ゴーレムは例えバラバラになってもコアが無事なら元に戻ると言われています。身体の何処かにある魂のコアを破壊しない限り不滅なのです」


「なるほど、それが見えてるのか」


 そのときショウが、ひとり納得したように頷いた。


「それなら大丈夫そうだ。魂の位置ならもう分かった」


「え?」


 アリスが不思議そうな顔でショウを見上げた。そんなアリスの頭をショウが優しく撫でる。


「どうやら『称号』の恩恵が出ているようだ」


 言ってショウは「ニッ」と笑った。

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