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American Dianthus  作者: nacchan725
気になる人は魅力の権化
7/70

強制的な巣立ち


家族は団らんと食事を楽しんだ。話に花を咲かせる中、話題がクロエの午後の体験の話になった。

母親が労いの眼差しを向けて話しかけた。

「クロエ、今日は散々だったわね。無事でよかった。それにしても、送ってきてくれたダイアンって人、中々のイケメンね。」

クロエは目を輝かせて答えた。

「でしょ!!強いし、優しくてかっこいいの。」

父親が間髪入れずに反論した。

「アイツのどこがいいんだ?」

「全部よ、パパ。私は怪物に襲われる前、カフェでチンピラに絡まれたの。そしたらダイアンが現れてチンピラと戦って追い払ってくれたの。ダイアンはかすり傷1つ負ってなかった。まずそこがかっこいいと思ったの。あと、ダイアンは私を家に上げて2人きりで話した時、気を利かせてコーヒーを作って持ってきてくれたの。その時に砂糖がローカロリーのものを選んでわたしのカップに置いていたの。ホテルマン顔負けのサービス精神の高さじゃない?」

「あの男に惚れたのか。誰だろうとお前は渡さないぞ。」

父親はクロエをしっかりと抱きしめた。クロエははにかんで身をよじった。

「もう・・・止めてよパパ。いつまでそんなこと言うの?」

そう言って見上げた父親の顔は、いつも通りではなかった。怪物の顔がクロエの唇に近づく。突然のことにクロエは悲鳴をあげることしかできなかった。キス寸前で誰かが窓から部屋に入ってくると、クロエと怪物の顔をした父親の間に割って入り、父親の首に蹴りを入れた。クロエは半狂乱になりながら恩人の名を叫んだ。

「ダイアン!!」

ダイアンは素早くクロエの手を握った。

「逃げるぞ。あいつらはもう、お前の親じゃない!!」

ダイアンはクロエを連れて外まで逃げた。

「車の中にいろ。」

ダイアンはスライディングし、逆立ちして両腕を軸に足を180°に開いて回った。

クロエの怪物顔の父と人間体の母は、回転蹴りをモロに食らって家の中へと押し戻された。 全速力で車に戻り、ダイアンは近くの公園で迎撃をとる指示を出した。出発して数分後、バックミラーを見たダイアンは驚愕した。何故なら、倒した2人が全速力で追いかけてきているのだから。

「マジかよ。結構キツいやつ浴びせたつもりだぞ。」

そう呟いた後、ダイアンはクロエの目を見つめながら重い口を開いた。

「君の両親を殺すかもしれない。」


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