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新約俗書  作者: ルルカプア
4/7

ルシファー、ミカエルが来る。

ルシファーは、まだ愛については

あまり深い感情は、なかった。

人間のこの愛というものが

善になるという思想が

よく働いているのと

神への愛についてと

信じる事に対しても


地に送り出された事も


まだまだ理解に及ばないほどであった。


そんな時

ミカエルが現れたとてもとてもご無沙汰であった。


ルシフェルよ

そう話しかけてきた

ミカエルは光輝いて

あたかも菩薩のようなというのが正しいのか

慈悲というのか

暖かいものを感じた。


久しぶりだね。


自分の光もない人間のような

みすぼらしいものを

少し恥じた。


ルシフェルよ。

人間に長く使えていくと

わかるものがある。


そう言う。


ルシファーはその言葉を聞き

なんのことか分からなかった。


私は今では

人間に使えている。

それも直接関わっている。


私は威厳を保ちたいがために

威張っていまった。


ミカエルが天で何をしていたのか

人間に使えるとはどんな仕事だったのか


私は知る由もなかった。


なんとなく聞いて知ってるようでいて

それが真実かどうかも

疑わしいものだった。

霊的な存在にして


ミカエルのような霊的存在を

感じ取られないぐらいの

事をやっていたからなのかもそれない。


情熱とてもいうのだろうか。


そんなルシファーに

ミカエルは言う。


最近ではルシフェルも

良い事を少しはしているように思えて

嬉しく思う。

それを

神の代わりに伝えに来た。


神!!?

恐れていた神の名を聴いて

驚きを隠せなかった。


神々はどうしておられる?

天使達は何をしているのか?


私は地球で活動をしていて何も分からぬままだ。


そういうとミカエルは言う。


私達も神々も

ルシフェルの活動を見守っていたよ。


そしてその人間とルシフェルの成長を

見守っていたよ。


光を失いつつある中で

善の活動をしだしたのも

観ていた。


これからも

活動を続けて欲しいと

思っているよ。


ルシファーは

聞きたいことがあった。


私は天には帰れないのだろうか?

帰れるわけがないと思ってはいるのだが


ミカエルは言う。


まだ分からないことがあると思う。

それを学んでからでも

遅くはないと思う。


私達には死ぬ事がないから。


永遠に続くから


しかしながら

人間は個人としては実に短くしか

存在し得ない。


その中での学びはやはり

実に短い


歴史を積み重ねるほかない


その中で

ずっとルシフェルは

存在し続け影響し続けてきた。


我々より遥かに

直接的に

関わっている。


これからもそのようにして

神から与えられた

地球上の自由がある。


その善悪の因果の実を


私達は味わっている。


人間に使えながら

その実を味わっている。


美味しいものもあれば

不味いものも

全て味わっている。


共に成長している。


ルシフェルは

人間に悪というものがあるということを

知らしめて来た。


それは

人間にとって自分を見つめるよい

機会であったと思う。


神の愛とはそういう事なのではないかな?


ミカエルは

ルシファーが分からない

事を少なくとも教えようとしていた。


苦しみも喜びも

神々や天使達は

天にいながら

感じて味わっているのではないだろうか


私の苦しみも理解されているという事なのか


そして私の思いも知っているということなのかと


それは丸裸なのではないかということである。


丸裸を味わっているという事なのかと


それが神々の愛なのかとも

思った。


ミカエルに出会い

自分が今までして来た事も


肯定されているようにも感じ

そして今の善の活動も

嬉しく感じていると知ると


死にたいという気持ちが芽生えたという

人間のようなそれも

苦悩に落ちて苦しみから

解放されて

楽になりたいと思うような


人間のような自分が

人間に使えてきたから

こうなったかのような

錯覚に見舞われた。


私は、地球で天使だったのかと

思うようになると


光が少し力づくのを

感じた。


神の愛を信じるような

気持ちが働いたのかと思った。


神は私を諦めて

この地に送ったわけでなくて

直接人間に使えるという

仕事を使わずために

送ったのかもしれない。


私は善悪を非常に厳しく感じて嫌がるほど善悪を

身にまとい善であるが如くにいた。


そして正義の如くにいた。


しかし今では老いぼれのようになって

善悪に対して自分が悪になってしまったことに


思い煩い心を痛めるほどである。


あんなに悪を憎んだ自分が

悪になり悪を称え今では

その逆のことを仕事にして

生き延びようとしていた。


救われたような気がした。


あの頃の自分を少し取り戻しても

この地球でやっていけるのかもしれないと

思った。


永遠にして続く我が身であるという事を


自覚した。


ここで仕事をしていくのだと自覚した。


それも永遠に。


いつかは天に帰れる気がした。


ミカエルは

微笑んで言った。


きっとルシフェルは

地球が似合う。

地球にいて輝く方が

向いてるんだね。


私達は、その自由はない。

それは

少し羨ましいよ。


でも神は私達を地球には送られなかった。


当たり前だと思っていた事を

変える力がないものだったのだね。


ルシフェルは違った。


人間の可能性を

大いに伸ばして来た。


私達はそれを

味わっているよ。


有難う。


そう言ってミカエルは光に包まれながら

天に帰っていった。


羨ましい。

その言葉に

神から自由を与えられた

人間とそして私達堕天使の事を

言っていると

分かった。


他の堕天使達も各々に自由な活動を

している。

初めては一緒だったが

各々の思う事をやるようになった。


たまにはその堕天使達と

お茶でもしなきゃならないなと

本当は孤独を抱える自分に

言いかけた。

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