ルシフェル、地球へ行く
神は、天使達に言った。
私の作った人間に使えるように
そういうと
ルシフェルが
嫌だ。
と言った。
神は、どうしてか?と尋ねると
ルシフェルは
人間のような悪い事をするようなものに
使えたくない。
欲に負けて悪い事をする人間なんかに
使えたくない。
私は神達に使えている
どうして人間に使えなければならないのか?
ルシフェルの言ったことに
賛同する天使達は、天使達の中で
三分の一にもなった。
天使のミカエルは
人間は未完成なのだ。
人間は、必死に生きている。
死ぬのが怖くて死を受け入れることも
難しい。
実に弱い。
私達なように生死のない存在からは
想像もつかないあらゆる恐怖を
抱えている。
生きるという事に
対して実に切実に生きている。
生き物というものは
美しく儚い。
私達のように死ぬことのない
ものが人間に使えなければならないのは
当たり前の事なのだ。
悪い事をしてしまう人間が
いるというのは
彼らが
生き物であるという事なのだ。
神は言った。
ルシフェルよ。
神々に使えたいのと同じように
人間に使えるように。
ルシフェルは分からなかった。
人間のようなものに使えなければならないことが全く理解出来なかった。
神々が何を考えているのかも
ミカエルが当たり前だと言ってる事も
分からなかった。
何故人間を想像したのかも
分からなかった。
神に似せて作ったという
人間が
神に似てるとは思えなかった。
悪い事をしてしまう
悪い事を悪いと思わないでしてしまう。
良い事をあまりしない。
良い事が何かもわらかない。
人間に使えたくはなかった。
そんな中やはり人間は
悪い事をした。
善悪を理解しだした。
または、悪いものの影響を受けやすい
弱さもあった。
何もかもが
欠点だからに思えた。
ルシフェルにとって
そのようなものが人間が
憎しみとして感じられた。
神への冒涜のようにも感じた。
尊敬に値する神々に使える身にとって
人間という存在が
悪に思えた。
消し去りたいとも感じた。
ルシフェルは賛同する天使達と共に
神の元へ
人間の撲滅を提案しに行く事にした。
ルシフェルは神に言った。
人間をこのままにしてはいけません。
消し去るべきです。
無にすべきです。
彼らが知識や知恵を身につけてたとしても
元々の生物としての
俗柄までは変えられようがない。
私達の事を理解することすら
困難です。
性質的に害がある。
物質世界において彼らの存在を
肯定することは
私達には出来ない。
未完成は未完成のまま
とても中途半端なもので
不安定なもので
とても危ないものです。
何故神はその人間を想像し
その存在を生かし我々に使えるように
されるのか
私達には全く理解し得ません。
神は、そんな
苦悩の中で従う事が出来ない
天使達に対して話かけた。
そなた達は
使えなくてもよい。
しかしここにいることは出来ない。
そなた達は
使える必要がないが、
地球へ行きたない。
地球でそなた達は何をするのか
私はそれを見守ろう。
そなた達が人間に使えたいと思う
その時まで
永遠に地球に居なさい。
そなた達は自由となった。
そなた達が何をするのか
それはそなた達の自由である。
人間に使える事を
そなた達には求めない。
地球へ行き人間を消したければ
消し去り
人間を支配したいなら支配するのも
自由である。
しかしながら
そなたらのやった事は
善悪に値し
因果となり
実になる。
そなたらの
価値はそれで決まる。
それにより
そなたらの
未来は決まる。
永遠の存在にして
そなたらの存在に
価値が加わる。
自由の代償の責任は
自分の身に降りかかるであろう。
ルシフェルは神の言うことが
よく分からなかった。
ミカエルは言う。
ルシフェルよ。
地球であなた方が何をするのか
私は人間に使えるものとして
しかと見守ります。
あなた方の行いが
神の真意に背くとも
真意のうちに行うことも
全てを見守ります。
ルシフェルは言った。
地球に行きたくはない。
どうか地球に行く事をやめてください。
ルシフェルは、地球の生き物達の
営みをとても嫌っていた。
生きるため行う行為を
全て野蛮だと思っていた。
馬鹿にしていたほどであった。
そんな地球の生命の中に
神は神に似せたという
ものを創造された
その事すら理解出来なかった。
神にとても愛されていた
ルシフェルだったが
神の愛を理解することは
出来なかった。
神は言った。
ルシフェルよ。
輝くルシフェルよ。
地球へ行きなさい。
命の輝きというものを感じなさい。
我々の輝きを受け継ぐ者達の愛を
感じなさい。
そして
ルシフェル達は
地球へと送られた。
それは片道キップではなかった。
人間に使える身になりたいと
思えばいつでも
神の元へ帰れるものであったが
地球での行いによれば
二度と帰れない道でもあるということすら
理解することは出来なかった。
そこまで愚かになった
ルシフェル達は、
神の愛により
地球へと送られた。
ルシフェルは、
神から離れるることが
辛かった。
その腹いせに
人間達をことごとく惑わし呪い
殺すことが
生き甲斐となった。
その度に
自分の輝きが失せていった。
堕天使ルシファー率いる堕天使達は
人間のいう
人間からみたら
悪魔のような存在として
霊的に存在するものとなっていった。
人間を操り人間に乗り移り
悪い事をやらそうとした。
人間の価値を下げる神から愛される価値のないということを
知らしめるために
弱い人間、欲が強い人間、
騙されやすい人間、
あらゆる人間の短所の強化、強調するように
促していった。
堕天使ルシファー達は
二度と天国に行くことの無いような
行為をし続けて行った。
しかしルシファーは
死ぬ事はなかったが
いつしか
死を恐れるようになった。
いつしか
色んな事が怖くなって行った。
人間と関わり長い長い間
交わる事で
人間と変わらぬ心を持ち始めるようになった。
悪い人間を愛するようにもなった。
自分に似た人間に情も湧くようになった。
自分を賞賛し崇拝するものを
可愛がるようにもなった。
そして
神を恐れるようになった。
神を愛していた頃の
天使だった頃の自分から
悪業を重ねて
たどり着いたのは
悪い人間と同じ
自分であった。