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プロローグはハゲ
私の名前は円形脱毛はげてるだ。
むろん本名ではない。
しかしあえて言おう。吾輩はハゲである。
だから言おう。吾輩の名ははげてるだ。
ハゲはハゲなりにハゲと向き合って必死に生きている。
このご時世、仕事の問題、家族の問題、山積みになったエロゲの問題…いや、これは自分が過剰に過多に渡って男性ホルモンの分泌を促し自業じと……えぇい!そんなことはどうでもいい!
数々のストレスという干害が頭皮を汚染され私はついにハゲた。
そんな俺はどういうことになったか。貴様達健全なる頭髪を飾る無邪気な悪魔たちはわかるまい。
そう、俺は、カツラを被ったんだ。お前ら悪魔はこれでもかと必死に努力するこの私を咎め、嘲笑い、軽蔑し、突き放してきたのだからな。そりゃぁ努力もするさ!
誰だって笑われたくなんかない!
誰だって同じ人間として関わりたい!
だから俺は被った!恥を忍んで広大に刻まれる「カツラ」の看板目がけて財布を握り締めた!
…しかしどうだよ、結果はこのざまだ。
私は今日の朝から、円形脱毛はげてるだ。