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ラムネのビー玉  作者: 猫の集会


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1/11

相談

 最近悩んでることがあるの。

 

 

 そう携帯に幼馴染からメッセージが送られてきた。

 

 幼馴染の冬芽ふゆめは、オレの一個下の中学三年生で、人見知りかまってちゃんだ。

 

 慌てて幼馴染の冬芽に電話をした。

 

 

 どうした⁈大丈夫か⁉︎と。

 

 勉強のことならいいが、それ以外なら心配だ。

 

 オレの慌てっぷりとは反対に、冬芽は落ち着いた口調で、

 

「今からそっち行っていい?」

 と、聞いてきた。

 

 …

 

「いや、もう夜中だし…オレがいくよ?」

 と、提案するも冬芽は

「もう、いるよ?生き霊とばしといたから」

 って平然と言いだした。

 

 …

 

「おい、こえーな。それはやめろよ…引っ込めよ」

「もう、しょうがないなぁ」

 

 

 冬芽は、渋々生き霊をひきもどした。  

 

 

 たぶん…

 

 

 で、相談は明日聞いてもらうからっていい電話を切られた。

 

 なんだか急にアイスが食べたくなったから、生き霊とばしたり、あんたをかまっている場合じゃないと。

 

 …

 

 こんな夜中にアイスって…

 

 しかも真冬に…

 

 てか、相談聞くの明日っていうか、もう十二時過ぎてるから今日だ。

 

 

 ところでアイス?ダイエットするって冬芽いってなかったかな?って思っていたら、いつのまにか寝落ちして、起きたらもう朝だった。

 

 

 授業の一時間って長いのに、睡眠中の数時間ってあっという間な気がするのは、オレだけですか⁇

 

 

 そんなくだらないことを考えながら、朝ごはんをモグモグ食べて、ガシガシ歯を磨く。

 

 

 そうこうしている間に、いつのまにか背後に視線…

 

 

 歯磨きをしているオレの後ろから…視線。

 

 そっと…鏡越しから幼馴染の冬芽がこちらをみていた。

 

 

「ふくしゅうのとき」

 

 と、一言ぼやいた。

 

 

 え…

 

 こわ…

 

 オレ…冬芽になんかしちゃってた⁉︎

 

 場合によっては、すぐさま謝罪だ。

 

 

 

「…あ、冬芽。来てたんだね…と、とりあえず部屋行こっか。」

「うん」

 

 

 階段をのぼっている途中、オレは気がついた。

 

 オレが先に来てしまったけど…いきなり下から、なんかしらの復讐されないよね?と。

 

 

 一応、警戒しつつ階段を登った。

 

 

 が、しかし後ろからの復讐はなかった。

 

 よかったー…。

 

 

 階段をのぼるのに、こんなにハラハラしたのは、うまれてはじめてじゃない?って勢いでしたね。

 

 安心したので、これで相談事をゆっくり聞けますね。

 

 

 って…まてよ?

 

 

 昨日…冬芽は、相談って言ったんだよね?

 

 

 相談だよね?

 

 

 ね?

 

 聞き間違いじゃないよね?

 

 なんか…相談じゃなかったら、どうしよう…。

 

 

 さぁ、復讐のとき‼︎とか面と向かって言われたらどうしよう…。

 

 

 そう不安になっていると冬芽は、

 

「靴下って、右と左どっちから履く派?」

 って質問してきたね?

 

 なに?

 

 この質問…なんかうらがある?

 

 

 え…

 

 どっちってこたえるのが正解なんですか?

 

 あぁ…わからない。

 

 

「えと…右です」

 

 恐る恐るこたえるも、正解か不正解か知らされずに、

 

「へー」

 

 とだけ言われ。

 

 

 …

 

 そしてオレの目を覗き込むようにじっとみてきて、

 

「相談なんだけど、いいかな?」

 って、ついにはじまりました。

 

「あぁ、うん。そ、相談ね。どうした?」

 と、一応落ち着いて耳に集中。

 

 すると冬芽は、

「水曜日と木曜日の間に空曜日くうようび入れない?」

 と、真面目に言ってきた。

 

「えっ?」

「だからぁ、水曜日と木曜日の間に空曜日を入れるの。」

「…なんのために?」

「まぁ、なかやすみってやつ。空っぽ曜日です‼︎」

 と、得意げな顔をしだした。

 

 

 なかやすみ…。

 

 

 確かに、なかやすみ欲しいけど…

 

 

 

「それって…どうやってつくるの?」

「まぁ、カレンダーに無理矢理ねじ込んだらよくない?」

 

 …

 

 無理矢理だった…

 

「あー…それはいい案だけど…難しいかも。一週間が八日になって、一年が三百六十五日じゃなくなると…そもそもの一日の時間も諸々かわってきて…うーん…なかなか大仕事どころじゃないよね。これは…そう簡単に変更できなそうだな」

「そうなんだ?でも世の中には、頭のいい人たくさんいるよ?その人にお願いしたらできそうじゃない?」

 

 …

 

「あー…」

 

 お願いって…

 

「でも、やっぱり無理かー。理玖斗りくとに言えばなんとかなりそうって思ったのになぁ…」

 

 遠くを見つめる冬芽。

 

 

 …

 

「役立たずでごめんな」

「ううん。大丈夫!じゃ、わたしやることあるからさ、またね!」

 

 冬芽は、そう言うとさっさと帰ってしまった。

 

 …

 

 え?

 

 もしかして…相談って、空曜日のことだったんだ?

 

 でさ…復讐ってなに⁉︎

 

 

 え、こわ…

 

 てか、もう帰るんだ?

 

 …

 

 なんだったんだよ?

 

 

 続く。

 

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