【第3話】俺はゴブリンを黙らせる
ドラゴンを倒しワクワクのキャンプ飯、調理スタート!!
まずは四肢を手斧で豪快にバラしていく・・
ザンッ、ザンッ、ザンッ、ザンッ、
リーナ「なんか全てが豪快ね。普通ドラゴンは鱗が硬すぎて普通そんな小さな斧じゃ切れないわよ」
「そうなの?でも確かに鱗がすごいから裏側から切っていくよ(もう面倒だからドラゴンってことにしておこう・・)」
「この美味しそうなモモ肉は薄切りにして鍋を作ろう。リーナお湯沸かしておいてほしい」
リーナ「鍋大好きー!!はーい!」
「この辺りはサーロインとかリブロースかな。ステーキにしよう」
(鍋を沸かす音)グツグツグツグツ
(ステーキを焼く音)ジューー ジューー
「よし、できた!いただきます!!」
「フーッフーッ、ガブッ・・・」「おお!!!」
リーナ「いただきます!パクッ。」「おいしーい!!」
お肉は筋肉質だが意外にも柔らかくジューシーで、
『ドラゴンのステーキ』『ドラゴン鍋』どちらも箸が止まらなくなるくらい美味しかった・・
「ドラゴンってこんなに美味しいんだ。たくさん食べてね、リーナ」
リーナはニコニコしながら答えた。「ありがとう!滅多に食べられないわ」
夜が更けるにつれ、焚き火の暖かさに包まれながら、俺は異世界について話を聞いた。
あらゆる種族や国があること・・
それを統治する神々や、敵対する魔王たちのこと・・
倒した個体とは比べ物にならないほど強く邪悪なドラゴンのこと・・
ドラゴンに匹敵するほどの強さを持つ伝説の獣たちのこと・・
そして俺が別の世界から転生したことをリーナにも話すと、よくわかっていない表情をした後に真剣な顔でお願いをしてきた。
リーナ「トーリ、お願いがあるの」
「ん?」
リーナ「実は今、あるダンジョンを探しているんだけど探すのを手伝ってほしいの」
出たダンジョン!!異世界や冒険にはよくある設定だ。
そこら中に罠があったり、ダンジョンの最下層には宝があって、それを守る怪物がいるんだよな。
俺は二つ返事で答えた
「いいよ、楽しそうだし」
リーナは嬉しそうに笑った。「本当に?ありがとう!」
こうして、俺たちはダンジョン探しの旅を始めることになった。
翌朝、森の中を進みながら俺はリーナに質問した。
「リーナはなんでそのダンジョンを探しているの?」
リーナ「それは…そのダンジョンに私の探しているものがあるかもしれないからよ」
「探しものってどんなもの?」
リーナ「絶対に私が手に入れて国に持ち帰らないといけないものなの。もし手に入れることができたら必ず話すわ」
明確な答えはもらえなかったがリーナの真剣な表情を見て、それ以上追及するのをやめた。
「わかった。とにかく、ダンジョンを見つけよう」
「とはいってもどの辺にあるのか検討はついてるの?」
リーナ「いいえ、ただこの森のどこかにあるのは確実だけど」
「ダンジョンって見つけること自体難しいんだね」
リーナ「今回は特別よ。最近出現した新しいダンジョンなの。」
そんな会話をしながらしばらく進んでいると、突然周囲が騒がしい気配に包まれ木々の間から小さな影が次々と現れた。
リーナ「ゴブリンよ!」
「・・・26体か」
ゴブリンの群れがそのままの勢いで俺たちに襲いかかってきた。
リーナはすぐに魔法を使って反撃を開始した
リーナ「トーリ、気をつけて!」
「うん。多分、大丈夫!」
まだこの異世界での自分の力は把握できていないが、身体は軽くパワーも通用する。
それにしてもゴブリンって本当に群れで襲ってくるんだな。そして何よりイメージ通り弱い。
最後の一体を殴り倒そうとした時、リーナが叫んだ。
リーナ「待って!」
「?!・・わかった!」
リーナはそのゴブリンに向かって杖を突きつけながら、何かを尋ね始めた。
「この辺りにダンジョンがあるでしょう。知ってるなら教えなさい」
ゴブリンは怯えた様子で答えた。「そんなの知らねーよ。ククク」
リーナの表情が険しくなり、手をかざすと巨大な炎が現れた。
「じゃあ塵になるしかないわね」「ボォオォォォ」
炎の大魔法に驚いたゴブリンは、すぐに態度を変えた。
「わ、わかった!連れて行くから殺さないでくれ!」
リーナは炎を消し、ゴブリンを睨む
「いいわ。案内して」
ゴブリンは命乞いをしながらダンジョンの方向を指差した。
ゴブリン「こっちだ。ついて来い…」
俺とリーナはゴブリンの案内でダンジョンに向かうことになった。
お腹いっぱいドラゴンを食べた2人は
『ダンジョン探し』という目標に向かって新たな冒険に・・