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【25話】奇跡の湖で

ベルドワへの帰り道に立ち寄った場所は、とても不思議な場所で・・

朝焼けが辺りを包み込み、柔らかな光が旅路を照らしていた。俺たちはドラグノス帝国の城門を後にして、次の目的地に向かって歩き始めていた。


「いやー、天気がいいと歩いてるだけで気持ちいいな!」


早速周囲の景色を眺めながら満喫モードに入っていた。柔らかな風が頬を撫で、鳥のさえずりが心地よいリズムを奏でている。


リーナが俺の後ろから言う。「歩いてるだけでそんなに楽しそうにしてるの、トーリくらいよ。」


「だって景色も気分も最高じゃん!それに、新しい冒険が始まるんだぞ〜」


グリードが横から割り込むように声を上げる。「スミスが言ってた面白い場所って、結局どんなところなんだ?」


スミス「んー。説明がめんどくさい!!行ってみれば分かるさ。」


フェンリルが笑いながら言った。「いいね〜。楽しみ!」


リーナは半ば呆れながらも微笑みを浮かべていた「なんかトーリとスミス、似てない?」


俺は振り返って笑いながら言った。「そうか〜?」


そんな軽口を交わしながら、足取り軽く道を進んでいった。


半日後・・


リーナ「私もうへとへとー!」


グリード「確かにもう半日は歩いたし、モンスターとも何度も遭遇したからな〜!」


スミス「お前ら気合い入ってないなー!トーリとフェンリルは?」


トーリ&フェンリル「まだまだ余裕!!」


リーナ「あんたらを基準にしないでよ!か弱い女の子に合わせなさいよ!」


トーリ&グリード「か弱くないじゃん」


スミス「でも安心してリーナ。もうそろそろ目的地に着くはずだから」


「お、ほらついた」


そういったスミスの後を追いかけて森を抜けると驚きの光景が目の前に現れた。


リーナ「うわぁ……」


最初に声を上げたのはリーナだった。その言葉に俺も足を止め、目の前の光景に見入った。


森の奥深く、周囲を取り囲む緑のカーテンの中に広がる神秘的な湖。その湖は穏やかで鏡のように澄み渡っており、空と周囲の木々を反射している。さらに驚いたのは、湖の上にそびえる滝だ。滝の水は透明で、どこから湧いているのか見えないほど高い場所から落ちてきている。だがその水は霧を纏いながら静かに湖へと吸い込まれていく。


「……なんだこれ。上には何もないのに、どこから滝が落ちてるんだ?」俺が目を見張りながら言った。


スミス「面白いだろ?誰もこの滝の水源がどこにあるのか分からない。しかも、湖の水位は決して変わらないんだ。」


グリードが湖の近くに駆け寄り、湖面を覗き込む。「めちゃくちゃ透明だな。俺の村にあった池の泥水とは大違いだ」


「綺麗・・」リーナが湖の周囲を歩きながら慎重に観察している。


フェンリルが興奮気味に飛び跳ねながら言った。「ここ、すごく気持ちいいね!空気も水もすごく美味しい!」


俺は湖畔に近づき、そっと水面に触れた。その冷たさは心地よく、指先に感じる感触は普通の水とは少し違うように思えた。


「これは……ただの水じゃない気がするな。」


スミスが頷きながら言った。「そうだ。この湖の水には、傷を癒す力や魔力を回復させる効果があるらしい。まさに自然の贈り物だな。」


リーナが感心したように言った。「こんな場所があるなんて……どうやって見つけたの?」


スミス「旅をしていると、たまにこういう特別な場所に出くわすことがあるんだよ。」スミスが自慢げに笑いながら答えた。


「今日はここでキャンプしようよ!」フェンリルが嬉しそうに言った。


俺たちは全員賛成し、ここでキャンプして一夜を過ごすことにした。

目の前に広がる幻想的な景色を眺めながら、今夜はゆっくり焚き火ができるんだ。


「ここをキャンプ場にしたら大人気間違いなしだな〜。でもキャンパーあるあるだけどこんな良い場所なら誰にも知られたくない思いもある。とにかく良い景色だ。」


グリード「アニキ、ぼーっとしてどうしたんだ?」


リーナ「そうよらしくない!早く薪を探すの手伝って!」


「ごめんごめん!すぐいく!」


各自ハンモックや寝床の用意をしたり、火起こしをして、その後はみんなで焚き火を囲んで食事をしながらゆっくり過ごした。

炎の光が反射して湖が幻想的に光っている。湖に向かって上から落ちてくる水量も夜になるにつれ少なくなり、音が焚き火のパチパチ音と相まって心地良い音を奏でている。


「この世界に来れて良かったなぁ」


リーナ「なんか言った?トーリったら、またぼーっとして」


グリード「アニキ熱でもあるのか?」


フェンリル「えー大丈夫トーリ。湖の水飲んだら回復するんじゃない?」


スミス「いやいやバカは熱なんて出ないだろ」


「誰がバカだ!!」


「ちょっと景色に感動してただけだよ」


リーナ「確かにね。とても綺麗」


焚き火を囲って仲間たちと笑える時間が幸せだ。元々ソロキャンプしかしてこなかった俺が気がつけば異世界に来てからグループキャンプを楽しむようになった。

ゆくゆくはこっちでもソロキャンプに行ってみたい気持ちもあるが、今はみんなとの時間を楽しもう。

美しい景色を前に感動にふけ、仲間とのグループキャンプの楽しさを実感したトーリ。


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