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【21話】決勝前夜

決勝戦を翌日に控え、束の間の休息をする4人は・・


夜の酒場に場面は移り・・・


決勝戦を翌日に控えた俺たちは、ドラグノスの酒場でご飯を食べていた。店内は活気に溢れていて、他の客たちも皆試合の話題で盛り上がっている。俺はリーナ、グリード、フェンリルと一緒にテーブルを囲み、今日の試合のことを思い出しながら飯を楽しんでいた。


「アニキの試合見れなかったけど、相手はどんなだったんだー?!」と、グリードが興奮気味に言った。


「んーどんなだったかなぁ。運よく直ぐに勝てたから俺の相手はあんまり覚えてないや。それより俺は戦わなかったけど氷使いのやつとか、準決勝の巨大ハンマーのやつとか強いやつたくさんいたよ!!」


リーナ「確かにあのカーンって人は強かったわね」


フェンリルは口いっぱいに食べ物を詰め込みながら言う。「決勝戦のトーリの戦い、楽しみだな〜」


リーナ「フェンリル、あなたは食べるか喋るかどちらかにしなさい」


その時、俺たちの後ろの席から声が聞こえてきた。


「おいおい、決勝戦を控えてる奴がそんなにのんびりしてていいのか?」


その声に驚いて振り返ると、そこにいたのはフワードだった。俺たちと同じ居酒屋にいたとは、なんて偶然だ。


「それを言うなら同じ場所にいる君もじゃない?フワード」と俺が言うと、彼はにこりと笑った。


フワード「確かにそうだな。でも明日お前と戦う前に、少し飲みたくて。ところで、お前さ、なんであのハンマーが欲しいんだ?」


「俺は世界中をキャンプして回りたいんだ。ハンマーがあればペグ打ちが楽だし、あのハンマーは大小サイズが自在って聞いたから持ち運びにも便利そうだろ?だから、どうしても欲しいんだよ」


フワード「キャンプ?」


「んー冒険して、いろんな景色とかを楽しみながら野宿することだね。ハンマーがあると便利なんだ」


フワードはすぐに笑いながら言った。「なるほどな。まさか武器ではなく便利グッズとしてあのハンマーを欲しがる奴がいるとは思わなかったよ。」


リーナがその会話に加わり、「あなた、この国の人?実は私たち、スミス・アイアンハンドを探しているの。この国にいるらしいんだけど何か知らない?」


フワード「それならここにいるぜ。」


「??」


フワード「俺がそのスミス・アイアンハンドだ」


その瞬間、フワードが深く被っていたフードを脱いだ。

その言葉に、俺たちは一瞬凍りついた。


「えっ!?あなたが…?ドラグノスでこんなに自由に過ごしていていいの?」と、リーナが驚いて声を上げた。


スミス「ん?ああ。ドラグノスに来たのも、俺の意思でやったことだ。うちの国王のことだから俺のことを心配して勘違いしてそうだが、別に俺はこの国に縛られているわけじゃない。ただ自国でじっとしてられないタチでね。」


「じゃあ、こっちで武器を作らされてるって言うのは?」と俺が確認すると、スミスは首を振った。


スミス「俺が自分の意思で作ることはあっても、無理矢理作らされるなんてことはない。」


「あれー、そうなのか!!てかフワードって逆から読んだら」


スミス「そゆこと」


リーナ「・・めちゃくちゃ安易な偽名ね!」


スミス「うるさいぞ。気が付かなかった癖に」


グリード「でもなんで自分で作ったハンマーが景品になっている大会に出場してるんだ・・?」


スミス「俺は準決勝で戦ったカーンに使ってほしくて、あのハンマーをこの国に渡したんだ。だけど王が勝手に興行のために使った。んで、俺は知らないやつにハンマーを使われるのが嫌だから、自ら優勝して、阻止しようと思ったんだ」


リーナ「なるほど…」


スミス「でもトーリ!お前ならあのハンマーを使ってくれても良いかなって思うぞ。試合には俺が勝つけど(笑いながら)」


すっかり意気投合して楽しく話をしているとリーナが話をはじめた。


リーナ「ねえスミス、わたしたちあなたをベルドワに連れて帰るって約束したの。大会が終わったら一緒にベルドワに戻ってくれる?」


スミス「えーやだよ。俺は縛られたくないんだ。次は久しぶりに巨人の国にでも行く予定だ」


「武器も作らされてるってのもデマだし、自分で来たんだからそれを伝えれば別にいいんじゃない?それより俺も巨人の国に行きたい」


グリードが小声で俺に耳打ちする「でもアニキ、連れて帰ったらご褒美もらえるって約束はいいのか?」


そうだ。俺は国王と約束したんだった。スミスを連れて帰れば好きなキャンプ道具を作ってもらえるように頼んでくれると。巨人の国にも行きたいが、一瞬でもベルドワに戻って約束を果たさなければ。


「まあでも確かに約束は守りたいし、少しだけでも帰ってくれると嬉しいな」


「じゃあこうしよう。トーリ、明日お前が俺に勝てたら、一度ベルドワに帰国すると約束する。」


スミスの言葉に俺たちは少しほっとしたが、同時に決勝戦へのプレッシャーも感じた。

勝たなければベルドワに帰ってもらえないってことだし、何より準決勝の戦いを見る限り俺では到底勝てない相手だ。だけど強気で行こう・・


「わかったよ。約束ね」と俺は答えた。


「楽しみにしてるぞ」とスミスは笑いながら答えた。




翌朝、試合開始の時間が近づき、俺は再び試合会場に立っていた。向かいにはフワード、いや、スミス・アイアンハンドが立っている。


「本気で来いよトーリ」とスミスは軽く笑いながら言った。


「もちろん!!」と俺は笑い返した。

スミスとまさかの形で出会った一向。


勝てば一緒に帰国してくれることになり気合を入れるトーリ。

いよいよ決勝戦がはじまる・・!

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