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【20話】フワードの正体

準決勝の2試合はどんな戦いになるのか・・!?

いよいよ準決勝だ。あと2回勝てばペグハンマーが手に入る。

控え室から会場に向かっている最中に包帯ぐるぐる巻きのシリスが話しかけてきた。


シリス「トーリ、次の相手甘くみない方が良い。」


「シリスか。怪我、大丈夫なの?」


シリス「ああ、なんとか大丈夫だ。ありがとう。俺のリサーチからは漏れていたが・・パスカルは相当な強さだ。この僕でさえ何もできずに負けてしまった。」


「そっか。気を付けるよ!」


あの試合、観客席から見ていて強そうには見えなかったが何かスキルとかがあるのかも。それなら確かにシリスが弱いんじゃなくて相手が強かったという可能性もあるか。


「準決勝 第1試合 次の試合はトーリ・イグナイト対ヘクト・パスカル!」


試合開始の合図が鳴ると、ヘクト・パスカルは様子を見ながら攻撃の機を伺っている。


「今日は戦ってばかりだ。早くキャンプに行きたいなぁ。」なんて次のキャンプのことを考えているといつの間にか相手は剣を構えて攻撃体制に入っていた。


「ザンッ」


その攻撃を避ける。


「…!」続けて攻撃をしてくる。やっぱり強さは怖さは感じないが、動きや剣筋が遅くて避けるタイミングが逆に難しい。野球でいうスローボールみたいな技術なのか?


ヘクトパスカル「おいおい、僕の最速の蓮撃を・・」


「最速・・?そんな嘘言ったって騙されないぞ」


ヘクトパスカル「嘘?」


「そろそろ反撃するね」


相手の死角に高速移動し首筋に手刀を入れると、その一撃で意識を失ってしまった。


司会者が興奮した声で叫ぶ。

「勝者、トーリ・イグナイト!!決勝戦進出です!!!」


観客席から歓声が上がる。なんだか少し目立ちすぎてしまっている気がする。

それより・・・やっぱりシリス弱いんじゃん。


次の試合を見ようと俺が観客席に戻ると近くの入り口からリーナ、グリード、フェンリルが駆け足で入ってきた。


リーナ「やっとチケット買って入れたと思ったら、もう終盤じゃない!!」


グリード「まあアニキも無事決勝に進めたみたいだし、いいじゃんか〜!それより次の勝者がアニキの決勝の相手だ!!」


「おお〜観にきたのかみんな!!!」


フェンリル「トーリ!!!」



司会者「次は準決勝第2試合、カーン・ブラッドロー対フワード!注目の対決です!」


フィールドに立つカーン・ブラッドローは、自信に満ちた表情をしている。


「試合開始っ!!」


試合が始まると、カーンは大きな戦鎚を振り、フワードに突進していく。


カーンの強力な一撃が空気を揺るがすが、フワードはそれを片手で軽く受け止めた。


「ただ大きいだけのそんなオモチャじゃ効かないよ」とフワードはニヤリと笑いながらカーンをからかう。


「この力…その声…やっぱりかスミス!!」


カーンが驚愕の声を上げたその瞬間、フワードは軽く戦鎚を弾き飛ばしカーンを押し返した。


フワード(スミス)「やっと気がついたか!」


カーン「国中を探していたんだぞ!どうしてこの大会に出場してる…!」


フワード(スミス)「だって出場するって言ったらさせてくれなかっただろー?俺の作ったハンマーをどこぞの馬の骨には渡したくなかったんだよ。一度奉納したとは言え、この大会で優勝すれば俺のものだろ?」」


カーン「それはそうだが・・それより俺の仕事は国内にいる間のお前の護衛だ!随分探したんだぞ」


スミス「護衛なんか必要ない。それに護衛は建前で、本当の仕事は監視だろ?そんなことより、今は試合中だ。かかってこい。」


カーン「全く・・でもまあお前とは一度戦ってみたかった。」


この会話は二人だけにしか聞こえておらず、観客達はフワードがスミスということは気が付いていない。


カーンは戦鎚を置くと、風魔法を使ってスミスを攻撃する。

「パンッ」スミスが力強く両手を叩くとその風圧で風魔法が消えてしまう。


カーンは戦鎚を持ち直すと、風魔法で加速させてさっきより倍以上のスピードで戦鎚を振り回す。全て避けるフワードだが、空中に飛んで避けたタイミングでカーンが思い切り振り下ろす。

砂塵が晴れると、戦鎚の上にフワードが座っていた。


フワード(スミス)「早いし威力も良かったが、俺には当たらないぞ」


カーン「くそっ。」


フワード「漢なら殴り合いだ。」


そこからは近距離での殴り合いが始まった。ほぼ互角の攻防が繰り広げられているが、少しずつフワードのパンチがカーンに入るようになる。


観客席のリーナとグリード

グリード「どっちも強いな〜。チビの方は魔法使ってないのに素手であの強さ。アニキみたいだ!」


リーナ「そっちも強いけど、あの龍人族の方もすごいわよ。殴り合いをしながら、風を操作してる。戦いながら、腕や足それぞれの動きに合わせて風向きを操るなんて相当のセンスと努力がないとできないわ。」


フェンリル「やっぱり僕も出たかったな〜!」


カーンが一度距離をとり、風に乗って思い切り拳を振り下ろすと会場や観客席全体に爆風が発生した。

砂塵がはれ、二人を見るとカーンの上にフワードが馬乗りになって拳を構えていた。


カーン「降参だ…スミス。君には敵わない。」


フワード(スミス)「楽しかったぞカーン。本当はお前に使って欲しくてハンマーを譲ったのに、あの王様のやつ」


カーン「ふふっ。王のいうことは絶対だ。俺もこの大会に優勝して胸を張って使わせてもらう予定だったんだが・・」


カーンの降参を受け、司会者がマイクを握り、声を張り上げた。


「勝者、フワード!! そして、決勝戦はトーリ・イグナイト対フワードに決定しました!!」


観客席から歓声が沸き起こった。 次はいよいよ決勝戦。


次回、いよいよ決勝戦・・!

会いたがっていたスミスと、トーリが激突!!


久しぶりの更新になってしまいましたが今週からできる限り投稿していきます。

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